マーダーミステリーを『水ダウ』や『逃走中』のように観て楽しむ――ノーミーツ広屋佑規×放送作家・白武ときおが語り合う『POLARIS』の挑戦

ノーミーツ広屋佑規×放送作家・白武ときお 対談

マーダーミステリーはどうしたら日本で広まるのか

――中国におけるマーダーミステリーの市場規模は約2,700億円ともいわれ、絶大な人気を誇るゲームジャンルとなっていますが、日本で広まるためにはどのようなことが重要だと思いますか?

広屋:中国では純粋に「自分ではない何者かになれる楽しさ」として広まった側面があると思いますが、そのきっかけはバラエティ番組だったと言われています。白武さんからお話をいただく前から僕たちも番組をやりたいと思っていたのは、そういった背景からでした。

白武:プレイしてみたら面白いということがわかっても、まずプレイをするとか、マーダーミステリーそのものの認知とか、そういったハードルを超えさせるところが重要です。

広屋:そうなんですよ。プレイした人はすごく面白いと言っている。だから地道にプレイヤーを増やす前に、マーダーミステリーそのものの面白がり方を伝えることができたら、一気に広まるきっかけになるんじゃないかと思ったんです。

白武:最近でいうと人狼をベースに『Among Us』が見せ方や楽しみ方を変えることで誰でもわかりやすいものになってさらに広まったところがありますし、マーダーミステリーでもそういった手法を見つける道もあると思います。

広屋:一般的なマーダーミステリーは数時間かけて遊びますけど、たとえば15分で楽しめるとか、何かしらのハードルを下げるパッケージ感を持たせるのもひとつかもしれませんね。

――人狼はゲームジャンルとしてある程度一般的な共通言語として広まり、バラエティ番組としても何度も題材になっていますが、共通言語になりうるマーダーミステリーの醍醐味はどんなところにあると思いますか?

白武:やっぱり設定の中で役を演じて遊ぶことだと思います。でもそれはやってみないとその楽しさがわからないし、参加のハードルが高いので、先ほど言ったようにまずは「面白がり方」を広めることが大事ですね。

広屋:僕、リアル脱出ゲームや人狼も好きなんですけど、得意ではないんですよね。参加者の推理力や交渉術といったプレイスキルに依存する部分があるから。

 その点マーダーミステリーは、プレイヤーそれぞれに制限やノルマが課されていて、結末が複数用意されているので、プレイスキルの差を意識することなく非日常体験に没入しやすい。それがマーダーミステリーの魅力であり、醍醐味だと思います。

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