Google新製品『Pixel 7 / 7 Pro』のカメラは“見たままを写す” iPhoneと比べてわかった真価とは

Google新製品『Pixel 7 / 7 Pro』レビュー

カメラ機能をチェック 〜基礎編〜

 処理性能の面ではネガティブな評価となってしまったが、Pixelにもっとも求めているのはやはりカメラ機能だろう。ここからは実際に撮影した写真を見ながら画質などを評価していこう。カメラ性能はかなり優秀であったため、期待してもらいたい。

 まず『Pixel 7 Pro』のアウトカメラは、広角カメラ、超広角カメラ、望遠カメラのトリプルレンズ構成となっている。一方でPixel 7は、広角と超広角のデュアルカメラ構成だ。さらに超広角の画角もわずかに異なっており、『Pixel 7 Pro』は0.5倍(画角125.8度)、Pixel 7は0.7倍(画角114度)となっている。

 実際に見てもらった方が早いだろう。以下の4枚は順に、『Pixel 7 Pro』で撮影した超広角(0.5倍)、広角(メインカメラ)、望遠カメラ(5倍)、デジタルズームによる30倍の写真だ。

 なんといっても30倍のデジタルズームが圧巻すぎる。画質もそれほど落ちていないようには見える。5倍→30倍の違いを見てもらえばわかるが、遠い被写体を引き付けられるのは望遠撮影の楽しみだろう。

 続いては、『Pixel 7』で撮影したものを紹介する。順に、超広角(0.7倍)、広角(メインカメラ)で撮影したものだ。

 超広角の0.5倍と0.7倍の違いが、写真右側の建物の見切れ具合からわかるだろう。『Pixel 7 Pro』を1台持っているだけで、圧倒的な超広角から望遠まで、幅広い撮影が可能だといえる。

カメラ機能をチェック 〜料理編〜

 次は料理の写真を比較していこう。こちらは『Pixel 7 Pro』で撮影したものだ。右の窓からは曇天が、天井からは暖色のペンダントライトが吊るされた、色温度が交じる環境で撮影した。お皿の奥がボケているのがわかる。

 こちらは『Pixel 7』で撮影したもの。ホワイトバランスが異なって見えるが、ボケ感などは同じように見える。

 比較として、『iPhone 12 Pro』でも撮影した。ボケ感がなく、奥のグラスまでピント面に収まっている。画質に関してはややのっぺりしているか?

 続いては暖色の蛍光灯下で撮影した、『Pixel 7 Pro』の写真。なお撮影時に露出などは一切調整せず、いずれの写真もカメラを構えて自然に撮影している。ハイライト表現が見事で、かなり美味しそうに映っている。

 『Pixel 7』でも同様に撮影。色温度も揃ったのか、ほぼ同じ画質に思える。

 最後に『iPhone 12 Pro』でも撮影。オムライスの黄色やお皿の白、全体の被写界深度など、かなりの差が出ている。わかりやすい写真ではあるが、自然かと聞かれれば……うーむ。

 また、『Pixel 7 Pro』にはマイクロフォーカス撮影が追加されている。メインカメラ状態で被写体に近づけば、自動的にマクロモードに切り替わる。ケチャップの質感がいい感じだ。

カメラ機能をチェック 〜実践編〜

 『Pixel 7 Pro』1台あればどんな写真が撮れるのか、最後は作例と共に見ていこう。『Pixel 7 Pro』を持って江ノ島へ観光に行ってきた。

 屋根の上にトビが留まっているのが見えた。メインカメラではこの距離だが……。

 デジタルズームを活用すればここまで寄れる。やや画質は荒れてしまうが、トビのくちばしや目までしっかり捉えることができた。この撮影がスマホ1台でできてしまうのは、なかなかに興奮できるのでは?

 水族館で泳ぐダイバーさんを撮影。水族館は薄暗い場所が多く、画質やピントが難しい環境だ。ラフに構えて撮影したが、明るさも悪くない。

 動画も撮影してみた。2倍ほどズームしているが、手ブレ補正のおかげでかなり綺麗に撮影ができている。

 雲の切れ間から覗く夕焼けを撮影。これは見た目よりもかなり赤く補正されており、コントラストも柔らかくされている。

 一緒に持っていたミラーレスカメラではこのように撮影できていた。こちらの方が見た目には近い。

 モーションモードにある「長時間露光」を使い、行き交う車を撮影。まだ明るい時間だったためかコントラストが弱いが、『Pixel 6』の時と同様にこちらも活用できそうだ。もちろん手持ちで撮影している。

 また、『Pixel 7』には「ボケ補正」という新機能がある。手ブレしてしまった写真やピンぼけ写真をキリっとした写真に補正できる夢のような機能とのことだが、こちらも試してみた。Pixelで撮影した写真以外も補正できるので、ミラーレスで撮影した写真を使用している。

 左にあるボケ補正を選択すると、スライダーが出現。0〜100のあいだで補正をコントロールできる。0と100を見比べると鳥の頭部のシャープネスに変化が見られるが、使える写真になるかどうかは被写体次第といったところか。このほかの写真でも試してみたが、劇的にピンぼけから復活した写真はなかった。

旅行やお出かけの思い出を、あらゆる角度から切り取れる

 近年はマクロから望遠まで幅広い撮影を可能とするスマホは珍しくないが、『Pixel 7』の写真は「見たままを写す」という意味で頭一つ抜けていると感じた。補正の度合いがかなり自然で、作為性を感じにくい。夜景に関してはさすがに誇張を感じるが、美味しそうな料理や旅先のスポットなどを撮影する分には、もはやコンデジいらずだろう。

 こうなると、カメラ趣味者であれば「デジカメ+Pixel 7 Pro」という組み合わせで、抑えられるシーンが大幅に増えるだろう。例えば広角と望遠はPixel 7 Proに任せて、カメラは50mm単焦点のみにする。これなら荷物も減らせるし、50mmでは物足りないシーンであっても『Pixel 7 Pro』の画質ならおさえで撮るにも悪くないだろう。トビの望遠写真が良い例だ。

 『Pixel 7』の真価は、カメラにアリ。コンピューティングフォトの真髄を体験したければ、Googleデバイスを手にとってみてはいかがだろうか。

(Source)
https://store.google.com/jp/category/phones?hl=ja

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