ダンスとテクノロジーの新たな可能性 プロダンスチーム・SEPTENI RAPTURESの最先端VFXを駆使したMV撮影に密着

 プロダンスチーム・SEPTENI RAPTURESが9月29日、都内のバーチャルプロダクションスタジオ・Hibino VFX Studioで今季のテーマソング「CHANGE」のミュージックビデオ撮影を行った。ダンスとテクノロジーが生み出す新たな未来を感じさせた、この撮影をレポートする。

 日本発のプロダンスリーグ「D.LEAGUE」22-23 SEASONのROUND.1を目前に控えたSEPTENI RAPTURES。新ディレクター・AKIHITO、新メンバーを迎え、体制を一新して
リーグ3年目の優勝を目指す。

 そしてHibino VFX Studioは1.5ミリの高精細のLEDディスプレイと、カメラのトラッキングシステムで3DCGを表現する新技術「In Camera VFX」による「環境に優しい再利用可能な背景」を提供するスタジオ。これによる映像クオリティと作業効率の向上に幅広い分野から注目が集まっている。


 撮影は映画のワンシーンのような、場末の路地の場面からスタート。リーダーのMiYUがディレクションしつつ、メンバーが数人ずつ並びダンスを撮影していく。カメラの角度によって日差しの入り方が変わるなど、映像を確認すると本当にリアルなロケ地で収録しているかのような仕上がりだ。

 ビルの屋上を背景にしたシーンでは、ダンスの盛り上がりとカメラワークのタイミングを合わせるために何度もテストしながら映像を確認。ダンサーも入魂だが、それを捉える撮影スタッフも気が抜けない。これまでにない新たな試みによる撮影現場はクリエイティブな雰囲気に満ちていた。


 SEPTENI RAPTURES・リーダーのMiYUは今回の撮影について「『こんなところで踊るんや』って思いましたが、会場で踊るよりも入り込みやすいですね」と話す。今回のネイルやメイク、歯にもデコレーションをあしらった衣装については「いつもはシンプルな服装なんですが、派手な服も好きです」と返答。

 新ディレクター・AKIHITOは、今回のMV撮影について「僕が何かを生み出す時に『どこのステージで踊るのか』というのは考えるんです。ダンスの可能性を広げる取り組みになるはず」と興味深く感じているようだ。

 振付けのコンセプトについては「『爽快感』をテーマに、選手たちのフィジカルの強さやスピードを活かしたいです。3rdシーズンに変わったことを表現できれば」と狙いを明かす。
 そしてHibino VFX Studioの東田氏は「このスタジオでダンサーグループの撮影をおこなうのは初めて」だという。ダンサーとのコラボについては「瞬時に違う場所に移動することも可能なので、これまで思いつかなかった場所や空間を背景にパフォーマンスすると面白いのではないか」と語った。

 さらに「CM制作だとリアルな背景でそれに馴染ませるのが大事ですが、エンタテインメントだとダンスに合わせて背景が変わったり、AR(拡張現実)技術で何かが出てくるという使い方が可能です」とし「LEDの外側にもバーチャルを足すXR(クロスリアリティ)技術もあるので、思いつく限りの映像は作れる世の中になると思います」と話す。さらにメタバース空間でのダンス表現についても可能性があることを指摘。

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