『アサシンクリード オリジンズ』5周年 紀元前のエジプトを舞台としたシリーズの転換点

 本作はシリーズファンにはもちろん、シリーズを初めて遊ぶ人にもおすすめしたいタイトルである。その理由は、本作のストーリー、キャラクター、ゲームシステムのいずれもが分かりやすいと感じるからだ。

 本作ではシリーズでもっとも重要な組織である「アサシン教団」のルーツが描かれている。これは「アサシンクリード」ファンにとって必見の内容であると同時に、シリーズ内の時系列では最初期にあたるため、前提知識がなくても世界観に入り込みやすいというわけだ。

 主人公のバエクが非常に魅力的なキャラクターであることも、本作をおすすめしたい理由のひとつだ。バエクは古来よりファラオに仕える守護戦士「メジャイ」の生き残りで、弱者を決して見捨てない強い正義感の持ち主である。    

 その一方で、彼は子供思いの優しい父親としての一面も持ち合わせている。だからこそ、最愛の息子を殺されたことをきっかけに復讐者として歩み始めるというストーリーには共感できるユーザーも多いのではなかろうか。

 また、本作のシステムが以降のタイトルのベースとなっていることもポイント。本作はシリーズの仕切り直しとして開発されたタイトルであり、後にリリースされた『オデッセイ』『ヴァルハラ』は本作のゲームシステムを踏襲している。    

 作品を追うごとに戦闘の自由度は増しているため、たとえば『オデッセイ』の次に本作を遊んだ場合、戦闘に物足りなさを覚えるかもしれない。とはいえ古代エジプトという独特のロケーションを探索できるのは本作ならではの魅力であるため、シリーズ未プレイのユーザーにはぜひ『オリジンズ』から遊ぶことをおすすめしたいのである。

 もしこの記事がきっかけで興味を持ってくれたならば、ぜひこの機会にプレイしてみてほしい。

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