そして、脱落が決まったのはひびき（鈴々木響）だった。今シーズン、いまだかつてない程、男子メンバーの泣き声が漏れ聞こえたが、それだけメンバー同士の絆が深まっていた証拠だろう。最後の最後、のせりんの前で堪えていたものが溢れ出したひびきの涙にも胸を打たれた。そのバックでは鈴虫の鳴き声が忙しなく響き、しおり（加藤栞）を誘い出してのラストデートでも、線香花火を楽しみながら2人で互いに“大好き”だという気持ちを伝え合うなど、正に“ひと夏の恋”の区切りが見られた。ひびきが本当に“オオカミくん”だとすれば、去り際までドラマティックで見事だ。

　その裏でなんとも切ないのはやはりりお（高橋璃央）だ。同じくオオカミ投票で上位6名に入り、光のキューブを手にしていたりおは、結局しおりを誘うことなくたった一人でその色を確かめたのだろうか。しおりの号泣、ひびきとの抱擁シーンをどんな想いで見ていたのだろうか。

　筆者はしおりに“オオカミちゃん”フラグを立てているので、お互いの気持ちを確認し合い、ひびきとの感動の別れ際を経た彼女が、ひびき不在の中、今度はどんな動きを見せるのか気になる。そして、これまでは“好きな人の幸せ”を一歩引いて見守るスタイルだったりおが、どうしおりと対峙するのか。“こんなにしおりが悲しむなら、ひびきではなく自分が落ちれば…”なんてことは決して思わないで、またりおの優しい魅力を炸裂させ「831」の続きの恋物語を見せて欲しい。

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【場面写真】『オオカミちゃんとオオカミくんには騙されない』8話

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