第1世代の『AirPods Pro』のイヤーチップに使われているメッシュは、第2世代のチップと比べ密度が濃い。Appleによると、この微妙な差によってオーディオの品質に違いが出るのだそうだ。そして、この違いのせいで第1世代と第2世代のAirPods Proではイヤーチップの互換性がないと言う。

　第2世代のAirPods Proのイヤーチップ内側のメッシュ/フィルターは、第1世代と比べ少し異なる。Appleはそのことを理由のひとつに挙げ、第2世代モデルで第1世代のチップを使用しないように推奨している。その逆も同様だ。ちなみにアップルのUSサイトはAirPods Proのイヤーチップに関するサポートページを更新し、「イヤーチップは AirPods Pro向けに特別に設計されており、高精細なオーディオ体験をもたらします。そのため、購入時に付属するAirPods Proのイヤーチップを使用してください。AirPods Pro（第1世代）のイヤーチップは、AirPods Pro（第2世代）のイヤーチップよりも高密度のメッシュを備えています」というセクションを追加した。

　だがメッシュの違いはあれど、第2世代のチップは第1世代のAirPods Proに完璧にフィットする。物理的に、互換性はあるのだ。ちなみに、交換用のイヤーチップは、どちらのモデルでも1,250円で発売されている。第2世代では、従来のS、M、Lサイズに加え、XSサイズがラインナップに加わっている。

　イヤーチップのメッシュを変更するというAppleの決断は、アダプティブイコライゼーションを最適化するためであったと予想される。内向きのマイクが音を検知し、オーディオ出力とノイズキャンセリングを常に自動で調節する機能だ。第2世代のAirPods Proは、音質がさらに良くなり、バッテリー寿命やアクティブノイズキャンセリングといった機能面のパフォーマンスもより向上したと発表されている。

　ややメッシュの粗いイヤーチップは本当に音質に違いをもたらすのだろうか？『The Verge』が試したところ、第1世代と第2世代のチップを最新の AirPods Proに付け替えても、すぐにまたは明らかな音の違いには気付くことはなかったという。ノイズキャンセリングもどちらのペアで試しても同じように効果を発揮する。開発室での機器を使ったテストならチップの違いがわかるかもしれないが、相当ないい耳を持っている人でない限りその差に気付くことはないだろう、とのこと。さらに片方の耳に古いチップを使用し、もう一方の耳に新しいチップを使用してみても（音響の違いがもっとも顕著になるはずの状況）、やはり音楽は快適に、バランスよく聞こえたそうだ。

　アップルは推奨していないけれど、新しいAirPods Proで古いペアのイヤーチップを装着したからといって、つけ心地的にも、音響的にも、大きな問題に気付くことはどうやらなさそうだ。

（画像＝Apple、TheVerge）

（Source）
https://www.theverge.com/2022/9/23/23368633/apple-airpods-pro-ear-tips-incompatible-mesh
https://www.macrumors.com/2022/09/22/apple-explains-airpods-pro-ear-tips-compatibility/