『シャドウバース』×『ちいかわ』コラボが大盛況 “ゲーム×IPコラボ”の成功例に共通する特性とは?

“ゲーム×IPコラボ”の成功例を分析

 9月1日。スマホゲーム界隈、いやゲーム業界に激震が走った。Cygamesがおくる対戦型デジタルカードゲーム(DCG)『Shadowverse』(シャドバ)にて、『ちいかわ』との期間限定コラボイベントが始まったからである。

【Shadowverseシャドウバース】CM 「ちいかわコラボ」篇

 2016年から約6年にわたってマルチプラットフォーム向けに展開し、リアルカードゲーム化やテレビアニメ化も果たしたDCG『シャドバ』。イラストレーター・ナガノ氏によって2020年から連載が始まり、可愛さの中にほのかなホラーテイストも感じられる漫画『ちいかわ』(なんか小さくてかわいいやつ)。両作品の思いもよらない邂逅は、『シャドバ』ファンはもちろん、ゲーマー以外のコミュニティからも多大な注目を集めただけでなく、『シャドバ』ユーザーの増加およびカムバックユーザーの流入に大きく影響した。Twitterではトレンドに挙がったほか、”キャラクターの敗北演出”に視線を向けるユーザーが多く現れたことも記憶に新しい。

 上記の通り、媒体や作品の垣根を越えたIP(知的財産権)コラボレーションは、時として想定以上の効果を生み出すことがある。具体的な数値で言えば、「プレイ中のアプリゲームでコラボが開催された際、プレイ意欲は上がるか?」というアンケートに対し、約80%が「上がる」と回答したアンケート調査も存在する(参考:gamebiz)。必ずしもポジティブに作用するわけではないものの、IPコラボに期待を抱くユーザーが多いのは事実だろう。

 では、一口にIPコラボと言ってもどのような特性があるのだろうか。本稿では2作品の事例を振り返りつつ、テーマの違いやIPコラボがもたらすメリットについて考える。

『フォートナイト』

 ビデオゲーム周りのIPコラボ事例において、欠かすことのできないタイトルが『フォートナイト』だ。Epic Gamesが運営するこのバトルロイヤルゲームは、『Marvel』『スターウォーズ』『バットマン』などの映画作品をはじめ、『ストリートファイター』『トゥームレイダー』『リーグ・オブ・レジェンド』といったゲーム作品……等々、実に多種多様なコンテンツと手を取り合ってきた。アイアンマンやストームトルーパーのスキンに身を包んだプレイヤーがフィールドを走り回る光景はインパクト十分。一度目にするだけでもしばらく脳裏から離れることが無かったほどだ。

フォートナイト × ドラゴンボールのゲームプレイトレーラー

 そんな『フォートナイト』は2022年度も継続的なIPコラボに力を入れており、8月16日には日本が世界に誇る漫画『ドラゴンボール』とのコラボイベントも開催された。

 こちらは映画『ドラゴンボール超 スーパーヒーロー』の販促に際して行われたもので、期間中は専用フィールドがゲーム内に出現したほか、「孫悟空」並びに「ベジータ」などの主要キャラクター(スキン)も登場。原作でおなじみの必殺技・かめはめ波を撃つことができたほか、テレビアニメ『ドラゴンボール超』(2015年~2018年)の人気エピソードがゲーム内で上映されたりと、コラボイベントでよく見られる”限定スキン&限定クエスト実装”だけに留まらない、豪華な内容が話題となった。

 IPコラボ事例にくわえ、米津玄師や星野源などの著名アーティストによる音楽ライブや、新作映画のプロモーション上映も盛んに行われてきた『フォートナイト』。昨今メタバースの新たな市場としても注目を浴びており、国内にてメタバース領域を専門とする制作スタジオも設立された。同作は今後もこうした事例と相まって、方々のヒットコンテンツとコラボする機会が続くことだろう。

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