メタバースに関する実態調査 セキュリティ担保や周知・理解を望む声、暗号通貨は懸念も

メタバースに関する実態調査

 株式会社クロス・マーケティングは、2022年8月、全国15~49歳の男女を対象に「メタバースに関する調査(2022年)」を実施し、調査結果を発表した。

 調査では、メタバースを認知しており関心のある857人に対し、メタバース関連サービスの利用実態、イメージ、今後メタバースを始めるための条件、メタバースで実現してほしいことなどを聴取し分析した。

・メタバース要素を持つゲーム
 メタバース要素を持つゲームのプレイ経験者は26%であり、『あつまれ どうぶつの森』『Minecraft』などをプレイしていた。遊び方は、「マルチバトルの参加」「PvP・対人戦の参加」「他プレイヤーとゲーム内外でコミュニティを作る」「アバターの着せ替え」などが上位を占め、バトル参加やコミュニティでの交流、アバターのカスタマイズやメイキングを中心に楽しんでいることがわかった。<図1>

・暗号通貨(仮想通貨)の保有
 NFT(非代替性トークン)の売買にも利用される暗号通貨を保有している人は31%。保有している暗号通貨は「ビットコイン」が多く、次いで「イーサリアム」「リップル」などが続く。一方、暗号通貨を保有していない人の理由は、「リスクがある・危険」が42%と高く、「保有することに不安」というネガティブな意見や「用途・使いみちがわからない」という声も聞かれた。<図2>
・アバターコミュニティの利用
 アバターコミュニティを利用している人は31%、「LINEプレイ」「VRChat」のプラットフォームの利用が高いことがわかった。利用者は、「お気に入りのスペースやコミュニティを見つける」「ネット上での友達と一緒に遊ぶ」「イベントに参加する」「知らない人と知り合う」ことを楽しんでいる。<図3>
・VR機器の保有と購入意向
 VR機器の保有は10%、「PlayStation VR」「Oculus Quest 2」「Xperia View」などを所有している。非保有者に購入意向とその理由を確認すると、「購入意向あり」は60%で、「廉価」「自由に使えるお金が増えたら」「より軽量・コンパクト」など、金銭面や技術向上がクリアすれば購入したいという回答が目立つ。一方、「購入意向なし」の人では、「高価すぎる」という声が最も多かった。<図4>
・イメージ、始めるための条件、実現してほしいこと
 メタバースは「先端的なテクノロジー」「世の中に浸透していない」「将来大きな影響を持つ」というイメージが強いという意見が多い。<図5>
 メタバース関連サービスを利用していない人では、「セキュリティの担保」「世間に広まる」「リスクを十分に理解する」ことができたら、本格的に始めたいとしている。<図6>
 メタバースで実現してほしいことは、「貧しい人や困っている人の相談事を解決する場に」「社会的ハンデを持つ方が健常者同様の体験ができるように」や「フィクションや現実の世界をメタバースで体験したい」という声があがった。<図7>

 メタバースという言葉が世間に出てから、様々な場所やコンテンツ、ゲームにおいてポジティブな広がりを見せている。しかし、日本でのメタバースの普及において、さらなる認知の拡大を望む声やセキュリティ面での不安、また周辺機器、関連機器などの価格の高価さという不安も多く見られるという結果となった。

■レポート項目一覧
調査結果サマリー
属性設問:
性別/年齢/性年代/居住地/世帯構成/職業
メタバースの理解・関心/関心の方向性/要素別関心

・調査結果詳細1
メタバースの4領域別実態把握
4領域別利用実態

・メタバース要素を持つゲーム
認知・離反・利用ファネル・認知未利用者の利用意向
現在プレイしているメタバース関連ゲーム
ゲーム中でのアバター利用・他プレイヤーとの交流
アバターへの支出状況(直近半年)

・仮想空間内での暗号通貨・NFT利用
暗号通貨の認知・離反・利用ファネル・認知未利用者の利用意向
現在保有している暗号通貨
暗号通貨取引所の認知・離反・利用ファネル・認知未利用者の利用意向
現在利用している暗号通貨取引所・プラットフォーム
現在暗号通貨を保有していない理由
NFTの理解内容
仮想空間上での暗号通貨・NFT利用状況

・アバターコミュニティでの交流
認知・離反・利用ファネル・認知未利用者の利用意向
現在利用しているアバターコミュニティ
アバターコミュニティ利用者の楽しみ方
アバター購入・支出状況(直近半年)

・VR機器を使った先鋭的体験
所有しているVR機器
VR機器で実際にプレイしているコンテンツ (自由回答抜粋)
VR機器非所有者の購入意向
VR機器現在非所有・購入意向者の購入契機
購入意向がない理由

調査結果詳細2
メタバース全体のイメージ・障壁理解・展望
インターネットで人とつながることへの反応
インターネットで人とつながることへのイメージ
メタバースとの距離の近さ
メタバース上で楽しみたいコンテンツ(自由回答抜粋)
メタバースのイメージ
メタバースを始めるための条件
メタバースで実現する・実現してほしいと思うこと(自由回答抜粋)

レポートのダウンロード:https://www.cross-m.co.jp/report/it/20220915metaverse/

■調査概要
調査手法:インターネットリサーチ
調査地域:全国47都道府県
調査対象:15~49歳の男女 メタバースを認知し、なおかつ関心のある人
調査期間:8月26日~8月28日
有効回答数:本調査857サンプル
※調査結果は、端数処理のため構成比が100%にならない場合があります。

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