特集:理想の「My Gaming Room」(Vol.2)

ビッケブランカに聞く“音楽制作×ゲーム部屋”の好相性 宅録・配信を考えた部屋選び&部屋作りのコツに迫る

夢は「ゲーム部屋をプロデュースしてもらう」こと

――ゲームと音楽制作を同じ部屋でおこなっているとのことですが、ゲームからのインスピレーションが制作につながることはありますか?

ビッケ:ゲームから受け取ったエッセンスを意識的に音楽制作に反映することはありません。けれどもどちらも日常的なことなので、知らず知らずのうちにゲームのインスピレーションが音楽に生きるケースはあると思います。

 たとえば、僕の「You chick over」という楽曲の〈I still keep aiming Higher〉というリリックは、FPS・TPSに出てくる「エイム」という言葉をもとにして作った表現です。このときも「エイムという言葉をリリックに盛り込みたいな」と考えながら音楽制作に向かっていたわけではありません。「上を目指す」という意味になりそうなちょうどいい表現を探しているときに、たまたま降りてきたのが「エイム」という言葉だったんです。

 おそらく普段からゲームに触れていたからこそ、この表現が生まれたんだと思います。そんな風に無意識のうちにゲームプレイが音楽制作に生きていることはたくさんあるでしょうね。

You chick over

――そのほかにゲームと音楽のつながりを感じることは?

ビッケ:ゲームのBGMを聴いて世界標準のトレンドを意識することはありますね。最近だと、『Fall Guys』のBGMは面白かったです。あれだけポップなゲーム性でも、マッチ待機中の音楽は暗い印象を与えるマイナーコードだったりするんですよね。ポップなゲームだからと言って音楽までポップにしてしまうと、ただ底抜けに明るいだけの印象になってしまう。『Fall Guys』の制作チームはBGMに本格的なエレクトロのエッセンスを盛り込むことで、良い意味での複雑さを狙ったんだと思います。そういったところから得た学びが、音楽制作・活動に反映されていくこともあるかもしれません。

――8月24日には、デビュー5周年の全国ツアーに向けたEP『United』をリリースします。今作の制作を振り返って、ゲームからの影響があったと感じる部分があれば教えてください。

ビッケ:ないような気がしますが、強いて言うなら、最後に収録している「Treasure」という楽曲の遊び心のあるアレンジは、たとえば『Fall Guys』のBGMだったり、そういうゲームからのインスピレーションがもとになっているかもしれません。制作のときに明確にこれを意識して作ったという感覚はありませんが。

 僕の場合、日常のなかで音楽制作に生きるようなひらめきがあったとしても、あえてそのときには形にせず、一旦置いておくんです。もし忘れてしまったら、その程度のアイデアだったんだろう、と。同じようにゲームのプレイ中に着想を得ても、それを特別に保存しておくことはしません。「良いものは勝手に僕の記憶に保存されていくはず」そんなスタンスで取り組んでいます。

 だからこそ、なにかの影響が作品に反映されるときはいつも無意識です。制作のタイミングで勝手に脳内に保存された良いアイディアが出てくるか。その博打に勝ち続けていまのビッケブランカがあります。

――最後に、ゲーム部屋のなかで今後アップグレードしていきたいと考えている部分はありますか?

ビッケ:小さなところだと、ゲーム配信のときに手元を映すカメラを導入したいです。よくあるじゃないですか? ストリーマーがプレイ中の手の動きを視聴者に共有するみたいな。少し前にそのためにウェブカメラを買ったんですけど、ピントが甘くて思うように活用できなかったんですよね。いまはRazerのデスクトップカメラ「Kiyo」に目をつけています。

 大きなところでは、部屋全体を吸音仕様にすることでしょうか。ゲームと音楽制作の両方に良い影響があると思うので。こちらはすぐというわけにはいかないですが、いつかチャレンジしてみたいと考えています。

――ガジェット好きとして、いま気になっている製品は?

ビッケ:キリがないほどたくさんありますね(笑)。そのなかで挙げるとすれば、Razerのゲーミングチェアが気になっています。『Iskur』と、あともうひとつ。なんだっけ。うわー、絶対思い出したい! ちょっとLINEとかチェックしていてください! その間に思い出すんで(笑)。

――ガジェット好きのプライドが(笑)。

ビッケ:あ、『Enki』だ!思い出した!そういうゲーミングチェアがあるんですよ。でもマウスパッド同様、2つも3つも必要なものではないし、ゲーミングチェアがいくつもあったら場所も取るじゃないですか? なので二の足を踏んでいる感じです。

――たとえば、友人のゲーム部屋に遊びに行ったり、配信を通じて有名ストリーマーのゲーム部屋を観たりしたことがきっかけで、憧れているゲーム部屋像みたいなものはありますか?

ビッケ:アメリカのNinjaというストリーマーとレッドブルがスポンサー契約して、彼の自宅の一室をゲーム専用部屋として大改造したんです。ガジェットはもちろん、壁や照明、デスク、冷蔵庫など、あらゆる部分をレッドブルがコーディネートして。その部屋が最高すぎるんですよね。もしチャンスがいただけるなら、いつかぼくもやってみたいです。

 どこかスポンサー契約してくれるゲーミングガジェットの会社はありませんかね? こんなにゲーミングガジェットが好きなミュージシャン、他にいないと思うんですが(笑)。

【特集】理想の「My Gaming Room」

ゲーム配信や写真・動画SNSの盛況、芸能人やインフルエンサーのゲーム部屋動画の盛り上がり、FPSをはじめとしたPCゲームの流行な…

■プロジェクト概要
『BASE GRAPHT』
ゲーム環境のゲームチェンジャー
GRAPHT Official Website
公式Instagram
公式Twitter

■リリース情報
ビッケブランカ 5th Anniversary Memorial EP『United』
Digital:https://vickeblanka.lnk.to/United
CD:https://vickeblanka.lnk.to/United_CD

■ツアー情報
『Vicke Blanka』
8月27日(土)愛知・名古屋国際会議場センチュリーホール
9月9日(金)大阪・フェスティバルホール
9月16日(金)石川・金沢市文化ホール
9月18日(日)福岡・ 福岡国際会議場メインホール
9月23日(金・祝)宮城・トークネットホール仙台 小ホール
10月10日(月・祝)北海道・札幌市教育文化会館

『Vicke Blanka presents RAINBOW ROAD -軌-』
10月30日(日)東京・東京ガーデンシアター

チケット一般発売中!
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■関連リンク
Offcial website
Twitter:Vicke Blanka
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