ゲームは本当に“時間の無駄”なのか? 専門家が語る、快楽以外に得られる「スキル」とは

ゲームは時間の無駄? ゲームで身につくスキルを専門家に聞く

ゲームを制限すると学校で孤立する?

――また、子どもに「いつもゲームばっかりして」と呆れる養育者も今も昔も少なくないです。ただ、子どもの成長を助けるゲームもあるのではないでしょうか?

高田:コミュニケーションの観点から言えば、たとえば、学校の友達とオンラインゲームを介して遊ぶことは、現実世界での交友関係をより堅強にするような良い効果があるように思えます。逆に言えば、ゲームのプレイを極端に制限することは、子どもを学校などの友達コミュニティから疎遠にさせてしまう要因の1つになりかねません。

――学校内で孤立するリスクを含んでいるのですね。ただ、保護者としても許容することは難しい気もしますが。

高田:私が「ゲームばかりしている我が子に悩む養育者」の方から相談を受けた際によく回答するのは、まずは子どもがどのようなゲームをプレイしているのかを正しく理解すること。そして、よくプレイするゲームが他者との交流がない1人用の場合、あまりにも長時間プレイしているようであれば、他者との交流を妨げる要因となりうるので注意が必要かもしれない、と伝えています。

――最後に大人も子どももゲームをする際に気をつけておくべきポイントなど教えてください。

高田:まず大前提として、あまりに攻撃的な発言や態度は控えることです。また、オンラインゲーム内におけるコミュニケーションの注意点は、交流する相手が現実で繋がりのある・そうでないかを留意しなければいけません。現実で交流のある相手に対しては、現実の関係性を極端に崩さないようにゲーム内においても現実で嫌がられるような振る舞いは控える。ロールプレイなどを許容してくれる交流相手であった場合にも、関係性を崩さない程度に楽しむことが重要です。一方、現実で繋がりのないゲーム内だけでの付き合いの相手であれば、相手が嫌がる振る舞いをしないことはもちろんですが、個人情報を必要以上に公開しないようにすることも重要です。ただし、現実で繋がりのない相手には、匿名であるということから、現実では話しづらい悩み事を相談しやすいという利点もあります。その辺りを加味したうえで、コミュニケーションツールの1つとして上手く扱うことが大切ですね。

メイン画像=Unsplashより

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