「大好きでした」「出会ってよかった」中田圭祐×川島海荷“夫婦”の切なすぎるお別れ 『私たち結婚しました 3』最終話

正反対な“がくぱる夫婦”の距離が縮まった理由

 人と接する時に、鎧を纏ってしまう佐野と、いつでも自然体な島崎。“がくぱる夫婦”は、正反対だからこそ、お互いに良い影響を与え合ってきた。ラブラブ! という感じの夫婦ではなかったが、自分たちの内面と向き合い、時には本気でアドバイスを送り合う。“期間限定の結婚生活”は、2人にとってかけがえのない時間になったのではないだろうか。

 “がくぱる夫婦”は、最後まで相手の好きを共有しようとしていたのが印象的だった。たとえば島崎は、絵を描くのが好きな佐野のために、自作の絵の具をプレゼント。佐野も、島崎が「かき氷が大好き」と言っていたのを覚えていて、かき氷を振る舞ってあげていた。何層にもなっている本格的なイチゴのかき氷。きっと、何度も練習したのだろうな……というのが伝わってきて、胸を打たれる。

 また2人は、自分のテリトリーに相手を引き込むのもうまい。佐野は、一緒に絵を描くデートを提案することで、妻と趣味を共有できた。夫の個展に招待された時、島崎が全力で楽しめたのも、事前に絵を教わった経験があるからこそのように思える。

 一方の島崎も、かき氷愛をプレゼンして、“かき氷店めぐり”を、夫と共通の趣味にすることができた。初対面の相手とグッと距離を縮めるには、まず自分のテリトリーに相手を引き込む。そして、相手の好きなものを理解しようとするのが重要であると再確認した。

 別れ際、「俺、結構しっかりぱるちゃんに食らってた」と涙を流した佐野。どんな時でも、島崎は自然体で嘘がなかった。嫌なことは「嫌だ」とハッキリ伝えるし、うれしい時は弾けるような笑顔を浮かべる。人に合わせて無理をするなどということがないため、考えすぎてしまう佐野にとっては、一緒にいてラクな相手だったのだろう。

 「時間が足りないな……」ということは、纏っていた鎧が少しずつ脱げてきたところだったのかもしれない。後悔の念を抱く佐野に対して、「笑ってお別れしよう!」と最後まで前向きだった島崎。この感じが、“がくぱる夫婦”らしいな……と思ったラストだった。

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