桜田通「パートナーの過去は、苦しくても知りたい」 恋愛番組で感じた“役者の難しさ”と恋愛観

桜田通が語る“役者の難しさ”と恋愛観

 ABEMAの人気恋愛番組シリーズ『恋愛ドラマな恋がしたい』(以下、『ドラ恋』)の最新作で9作目となる『恋愛ドラマな恋がしたい~Kiss me like a princess~』。スタジオゲストとして俳優の桜田通が出演した。

 『ドラ恋』は“恋愛ドラマの共演をきっかけに恋は生まれるのか?”をテーマに、若手俳優が毎話キスシーンのあるドラマの撮影をしながら、そのリアルな恋愛模様も追いかける。桜田は、同じ俳優として、本作に対しどのような感想を抱いたのだろうか。その恋愛観や、俳優だけでなくミュージシャンの一面も持つ自身のマルチな活動についての“意識”についても答えてくれた。(編集部)

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まわりくどく告白するメンバーは「自分と似ている」

桜田通

――桜田さんは普段、恋愛番組は観られますか?

桜田通(以下、桜田):普段全く観ていなくて、『ドラ恋』が初めてでしたが、すごくハマりました。

――どんなところにハマりましたか?

桜田:僕自身あまり恋愛のことを人に相談しないんですよ。だから人からも恋愛相談を受けたりとか、人の恋愛に首を突っ込んだりすることがないので、とても新鮮に映りました。リアルな恋愛模様や、そんななかでもお芝居では役を勝ち取っていくという、なかなか普段観ることができない俳優たちの姿が覗けるのが、『ドラ恋』の一番の魅力なのかなと思っています。

――『ドラ恋』を観て、推しメンバーや気になるメンバーはいましたか?

桜田:すごい良い人なのでりょうすけ(小池亮介)くんが好きです。あとは観ていくうちに段々と気になって行ったのはゆあ(白石優愛)さんが気になり、最終的に一番印象に残っています。彼女は、恋愛面では誰とも結ばれない結末にはなってしまったんですけど、それを通して女優としての産声を上げた感じがあって。多分この経験を経て、さらに魅力的な表現をしていくのかなと思うと、このシーズン内の話に留まらず、この先の女優さんとしての活躍に期待しています。楽しみですね。

――では、共感できたり自分に似ているところがメンバーはいましたか?

桜田:はっしー(橋本裕太)くんの最後の告白を見て、自分と似ているからこそ、もっとシンプルにちゃんと気持ちを伝えた方が相手も安心できるだろうなと思いました。ただ好きと言うよりも、その背景をちゃんと話して自分の本気度を必死に伝えようとする気持ちは僕もわかります。ただ、本人は信頼してほしくて一生懸命話しているんだけど、それが遠回しに理屈っぽく聞こえてしまうのかなと……。

 男性の言い訳じゃないですけど、ある種弱い部分だとも思います。女性からすると“もうそんなのいいから好きって言ってよ”となるのかなと客観的に見ていて思いました。僕も出来るだけシンプルでいたいなと思う反面、まあでもそう言いたくなる気持ちもちょっとわかってしまうんです(笑)。でも、あのまわりくどさも、はっしーくんの真面目さや優しさなのかなと。

――ちなみに普段恋愛相談をすることもされることもないということでしたが、桜田さんにはとても的確なアドバイスが貰えそうな気がするのですが……。

桜田:僕がまず人に相談しない理由が、結局誰も僕の人生を生きたことがないのでわかるわけがないと、どこかで思っているからなんですよ。だから、もし何か相談されたら、「僕だったらこうだけど、これをそのまま自分に置き換えないでね」ということを伝えた上で相談に乗ると思います。

 そういう考え方で話を聞いていると、最終的には「申し訳ないけど、多分あなたの気持ちを完全には理解できていないし、分かりたいけど 分かってあげられない。なぜなら、あなたの人生を僕は生きたことがあるわけではないし、恋愛だったらその相手と僕は会ったことがないから。ただ、客観的にあなたの話だけを聞いて、僕の人生に置き換えて思うとこうだけど、最終的に全部決められるのは自分しかいないと思うよ」と、少し俯瞰した話し方になってしまいますね。相手を言いくるめたり、断言して説得してしまうようなことがないように気をつけているので。

パートナーの過去や人生は、たとえ苦しくても知りたい

――ご自身が『ドラ恋』に出演していたら、どのようにたち振る舞うと思いますか。

桜田:多分恋愛と演技をきっちり分けられると思うので、もし好きな人ができてもお芝居とは全く別物として考えて行動すると思います。好きな子の相手役が他の人だろうが、逆に自分が他の子と芝居をやろうが、おそらく何も気にならないですね。これはもう職業柄仕方ないのかなと思うんですが、全然気にしないのかなと。

――では、自分が他の子とキスシーンを演じる際、好きな相手が嫉妬してしまった場合にはどのように対応するのでしょう。

桜田:きついこと言って申し訳ないですけど、“仕事だからごめん”と伝えます。ただ、この『ドラ恋』に参加されている方たちとは年齢も違いますし、そう多く演技歴を重ねられていないケースもあるので、だからこそ、いい意味で恋愛と自分のやりたいことが少し混ざってしまった故の魅力が出ているんだと思います。そういう意味では、僕はもう同じようには出来ないですね。もう壊れすぎているというか感覚が麻痺しているので(笑)。

――『ドラ恋』のメンバーたちも、必ずしも言葉に出さなくともお芝居の雰囲気に好意や自分の本音が滲み出ていたりすることがありますもんね。

桜田:そうだと思います。澤田(育子)先生も仰っていましたが、やっぱりゆあさんの演技はきっとこの環境にいたからこそ出た表情だったりお芝居の雰囲気なのかなと思いますね。こういうアプローチで作品を作るという試みを最後まで見て、我々もこのリアリティーを映画やドラマでもしっかり表現できなきゃダメだよなと思わされました。ドキュメンタリーの強さをすごく感じましたね。

――演技だけでは知ることができない要素もあるということですね。

桜田:『ドラ恋』では作り物の作品では見られない表情や涙があるので、好きな相手とのキスシーンを撮るんだったら、やっぱり本当にその子のことを大好きになるのが話は早いよなと思っちゃいました。ただ、いろんな役柄や設定があるなかで、全てを現実にできるものではないので、入り込みすぎても戻ってこられなくなるだろうし、改めて俳優業の難しさについても考えさせられました。

――これまでのことを伺っていてかなり自立されている印象がありますが、桜田さんにとって、理想のパートナー像はどんなものでしょうか?

桜田:たった1人の人と一緒にいることを決めるのであれば、その人のことを何もかも知りたいかもしれないですね。嫌なことや悲しいこと、幸せなことも含めて、過去どんなことがあったかを共有したいです。相手が何に傷ついて、何に喜びを感じ、誰を信用しているのか。そういうものを全部知った上で一緒にいるのが僕の理想です。何も知らないまま、その瞬間の価値観だけで向き合うんじゃなくて、相手の価値観を作り上げた過去や人生について、たとえ苦しくても知りたいと思います。

――それは出会った当初から互いに対話を重ねて知っていくのでしょうか。

桜田:そうですね。最初からお互いに汚い部分も何もかも話した上で、これからの関係性を考える方がフェアな気がしますね。

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