『名探偵コナン』のトリックを半年かけて検証……話題のYouTuberに聞く「一番やってみたいトリック」とは?
検証には半年かかることも
――動画の企画はどのように決めているのですか?
平山:原作やアニメ、映画を見ていて、自分が気になったシーンから考えることはもちろん、「あのトリックやってほしい」といった視聴者さんのコメントもとても参考にしています。原作を読み返すたびに気になることは増えるので、検証してみたいことはまだまだあります。
――「やってみたいけど、コスト的に難しい……」という理由から断念したトリックも多いのでは?
平山:そうですね。「ジェットコースター殺人事件」のトリックや「裏切りのステージ」の大きな舞台と客席を使った首吊りトリックなどはコスト面でできていません。特に「ジェットコースター殺人事件」は一番最初の事件ですし、リクエストも多くいただいているため、ぜひ挑戦してみたいなと思っています。とはいえ、遊園地を貸し切る必要がありますし、仮に貸し切ることができても、ジェットコースターを壊す可能性もあって諦めました。ですが、いつかやりたいトリックですので、もしやらせてもらえそうな遊園地があれば教えてほしいです。
――1本の動画を制作するのにどれくらい時間がかかりますか?
平山:一番早いものでも、買い出しなどの準備に3時間、撮影2時間、編集15時間の計20時間は少なくともかかります。トリック検証は基本的にできるまでやるため、数ヶ月かかったものもあります。例えば、釣りに使うリールで列車のドアを閉めるトリックは複数回にわたって撮影して結局半年くらいかかりました。何度も繰り返してやっているうちに、列車のドアの代わりに使った家のふすまがボロボロになりました。
――働きながらのYouTube活動は大変では?
平山:そうですね。仕事のスケジュールもあり、今は月に2回の撮影に全力を注いでいる形です。その後動画を編集して配信という流れです。
YouTubeを始めてから3年くらいは、働きながらマツダが全て編集をやって投稿していました。マツダの負担があまりにも大きいので、その後僕も編集するようになったのですが、仕事との両立はなかなか難しいので、今は自分たちも編集しますが、何人かの方にお願いしながら作っています。たくさんの人に協力いただくことで投稿できています。
――その中でも一番苦労した動画は何ですか?
平山:どの動画も苦労していますが、一番はとなると「名探偵コナンのアニメOP映像をワンカットで再現してみた!」ですかね。OPの再現はずっとやってみたかった企画で、5年前からどんなものが良いか考えていたのですが、架空のアニメのOPっぽい映像を投稿しているYouTuber「アニメOPっポイヤツ」さんのワンカット動画を見て、「これだ!」と思いました。その後、ポイヤツさんに連絡して、そこから2カ月間稽古して撮影したのですが、撮り直しに次ぐ撮り直しで、29回目の撮影でようやくOKが出ました。カメラマンや編集を含め17人が携わった大規模な動画になりましたが、納得のいく動画になったと思います。
『金田一』にも挑戦
――今後どのようにYouTube活動を展開したいですか?
平山:ずっと目指していた登録者数10万人に近づいているので、今現在は「10万人を目指す」以外は特に考えていません。ですが、コナンに限らず『金田一少年の事件簿』や『江戸川乱歩』シリーズなど、いろいろなミステリーのトリックの検証もやってみたいと思っています。コナンはもちろんずっとやります!大好きなので!動画を作るとき、「コナンを知らない人でも楽しめるように」ということを意識していますので、そういう人にも楽しんでもらえると嬉しいです。もちろん、コナンを好きな方々にも、CANDYROPEの動画を楽しんでもらえたら最高です。