ロックダウン後初の中国大セールはこれまでと違った消費志向に ヒットした家電とは?

 中国で、EC(電子商取引)サイトセールの二大イベントと言えば、6月18日に開催される「618」と「1111(ダブルイレブン・W11)」。11月11日に開催される「ダブルイレブン」は、すでに中国のイベントとしてだけではなく、世界で広く知られているショッピングイベントになっているため、聞いたことがある人も多いだろう。一方で「618」は、中国では、「ダブルイレブン」と並ぶショッピングの祭典として定着しているが、海外ではまだ知名度が低いかもしれない。

 この「618」セールは、6月中旬に開催されるため、上半期最大のECセールイベントとして、例年、注目を集めるが、今年の上海では、特に高い注目を集めた。上海が2022年6月1日に約2ヶ月に及ぶ都市封鎖を終えたばかりで、消費志向に大きな変化が予想され、これまでとはちがった商戦になるのではないかとの見方が多かったからだ。

 封鎖中の完全なステイホームを経て、迎えた解除後の「618商戦」では、これまでの消費志向とは少し異なり、例年と比較しても、堅実で理性的な消費行動が見られた。中でも紙製品、スキンケアといった生活必需品や消耗品のまとめ買いによる買いだめ傾向や家庭用の小型スマート家電の購入増が目立った。

 家庭用の小型スマート家電で言えば、たとえば、エアフライヤー(ノンフライヤー)、マルチジューサー、食洗機、掃除ロボットなどあげられるが、とくに「煮る・焼く・蒸す・揚げる」など、1台で多機能な自動調理器・マルチクッカー(調理家電)の人気が高まった。初心者でも、料理が不得意でも、調理方法を知らなくても、いろいろなレシピに対応しているうえに、ほぼ失敗せずに美味しく仕上がり、効率よくできると好評で、ステイホーム中は、このマルチクッカーを団体購入する小区(住宅団地)も出ていたほどだ。

 また、マルチクッカーでパン・麺、アイスクリームやヨーグルト、豆乳、ジュースも手作りできるとあって、ファミリー層も含め幅広い層に支持されている。住民どうしで団体購入すると、メニューや完成品を小区のチャットグループやSNSに投稿、シェアし合うなどの行動で、自然と認知度が広がっていった商品の一つでもある。

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