尼崎市のUSB紛失事件を機に考える セキュリティ性能の高いUSBフラッシュメモリ選びのススメ

尼崎市のUSB紛失事件を機に考える

 兵庫県尼崎市におけるUSBメモリの紛失が大きな話題となる中で、高まるセキュリティへの関心。USBメモリはコンパクトで持ち運びやすい反面、紛失や盗難による情報漏えいのリスクもはらんでいる。データを物理で持ち運ぶなら、堅牢なセキュリティ機能をもった製品を使いたいところだ。

 アイ・オー・データ機器(IODATA)のUSBフラッシュメモリにはユニークな製品が数点あり、セキュリティ性能の高いものが揃っている。そこで本記事では、IODATAのUSBメモリをご紹介。気になる製品があれば手に取ってみてほしい。

アンチウイルスソフトが付属するED-SV4/Rシリーズ

 「ED-SV4/Rシリーズ」は、パスワードロックやデータのハードウェア自動暗号化機能などを採用しているハイエンドなUSBメモリ。アンチウイルスソフト「Trend Micro USB Security」を搭載している。書き込んだデータを自動的にチェックし、ウイルスを検知した場合には自動隔離・削除を選択できる代物だ。

 ウイルス対策ソフトが入っていないパソコンにUSBメモリを使う場合にも、安心感を得られるだろう。なお、ソフトの有効期間は1年版・3年版・5年版から選択可能。パソコンにUSBメモリを接続すれば、検索エンジン・ウイルスパターンファイルが自動的に更新されるのも特徴だ。  検索エンジン・ウイルスパターンファイルが常に最新の状態に保たれることで、ランサムウェアに備えられる。ランサムウェアとは、感染するとパソコンをロックされるなどし、元の状態に戻す代わりに身代金を要求されるものだ。WannaCryやTeslaCryptがよく知られている。

 管理者用ソフトウェア・SUHManager(別売)に対応しているのもポイント。USBメモリの一元管理やパスワードの変更など、機能のカスタマイズが可能となる。なお、パスワードのミスは最大5回までであれば問題ない。この回数もSUHManagerで変更できる。

ファイル暗号化ソフトに対応したED-S4/Rシリーズ

 パスワードロックやハードウェア自動暗号化機能などを備えたハイエンドモデル「ED-S4/Rシリーズ」。パスワードを入力してログインしないと、データにアクセスできない仕様だ。そのため紛失や盗難に遭っても、データを読み取られるリスクを最小限に抑えられる。  管理者ソフトウェア・SUHManagerにも対応。パスワードの文字数などを変更できるため、自社のセキュリティポリシーに沿った運用がしやすくなる。また、取り込んだデータはすべて自動的に暗号化される仕組みとなっている。

 ファイル暗号化ソフトウェア・QuickSecureAES256にも対応。データをドラッグ&ドロップで暗号化・復元できるソフトウェアだ。パソコンにインストールせずに利用できるのが魅力。ハードウェアレベルではなく、個別にもファイルを暗号化できる。  社内で簡単に暗号化でき、外出先でも手軽に復元可能。作業を終えたら、ファイルを削除すれば問題ない。完全に削除できるので、復元できなくなる。

指紋認証センサーを搭載するED-FPシリーズ

 指紋認証センサーのついた「ED-FPシリーズ」。指紋認証によってログインできる機能を搭載した、セキュリティUSBメモリだ。パソコンに挿入し、先端のセンサー部分を指でタッチすれば簡単にログインできる。

 ワンタッチで素早くログインでき、従来のようにわざわざパソコンでパスワードを入力する必要がない。少しでも時間を短縮したい人にもおすすめだ。最大6つの指紋を登録できるため、複数のメンバーで共有可能。1人で利用する場合にも複数の指紋を登録しておけば、指をケガしたときに活躍する。

 従来のパスワード認証のUSBメモリでは、動作OSが限定されてしまうデメリットがあった。しかしED-FPシリーズは指紋認証なので、タブレット端末や事務機など幅広いデバイスで利用できる。もちろん、パスワード認証にも対応。仮に指紋認証ができなくなっても安心だ。  ほかのシリーズと同様に、読み込んだデータはすべて自動的に暗号化される仕様。また、USBメモリの本体はコンパクトで耐久性に優れている。ストラップをつけられるので、持ち運ぶ際に便利である。

ナンバーロックを搭載!ED-HB3シリーズ

 「ED-HB3シリーズ」は、ナンバーロックが可能なボタン付きのUSBメモリだ。設定したパスワード・数字をプッシュし、ロックを解除できる仕組み。解除した後に、USBメモリーをパソコンなどに挿入することで利用できる。

 デバイスからUSBメモリーを抜くと、自動的にロックがかかる仕様。紛失・盗難による情報漏えい対策にうってつけだ。バッテリーが搭載されており、パソコンなどのUSBポートに挿すと自動的に充電される。約2時間でフル充電できる。

 指紋認証のUSBメモリーと同じように、動作OSが限定されない。Surface RTやタブレットなど幅広いデバイスで利用できるのもメリット。

 また、USBメモリ本体にも使いやすい工夫が施されている。握りやすく、ボタンを押しやすい設計を採用。キャップ式なので、USBコネクタをキズやホコリから守れるのも魅力。ストラップホールもついているため、携帯性に優れている。シンプルな方法でパスワードを解除したい人におすすめだ。

 以上、IODATAのユニークなUSBフラッシュメモリをご紹介した。USBメモリは持ち運びに便利ではあるものの、紛失や盗難に遭うことが懸念される。情報漏えいの損失は計り知れない。  重要な情報を扱っているにもかかわらずパスワードのかかっていないUSBメモリを使っている場合には、セキュリティ対策としてUSBを新調するのが賢明かもしれない。セキュリティを万全にしたい人や企業にとっては、必要な対策となりそうだ。

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