にじさんじの“朝の男”伏見ガクが持つ、「生真面目」で「残念」な魅力

 

 2020年4月末、さまざまなプレッシャーから心身に不調をきたしていたことをファンに告白。「引退・卒業はしない」と奮い立ち、徐々に配信内容や配信ペースを整えていくことを伝えた。

 ここまで記したように、さわやかな人柄とハッチャけるギャグセンスの裏には、彼の生真面目かつハマりやすい性格が潜んでいるように思える。そんな性格がゆえに、風評や過激さなどに流されやすいフィールドに立つVTuber・バーチャルタレントは荷が重くなることがあったのだろうが、現在の彼は、そういった問題を払拭したかのように見える。

 さて、ここまで数か月にわたって元二期生について書かせてもらったが、メンバーを見ていてやはり気がかりになるのは、全体的に病気・ケガなどで休みを長期間にわたって取ったり、活動ペースが高頻度ではないメンバーがいることだろう。心身のどこかにトラブルを抱えながら活動をつづけるというのは、いうまでもなく応援するリスナーとしても心配なところだ。

 そんな彼らの特徴的な繋がりをあらわすエピソードがある。昨年10月末に開催された元一期生によるライブ『initial step in NIJISANJI』を元二期生の森中花咲、伏見ガク、家長むぎ、文野環、鈴鹿詩子、ギルザレンIII世がライブを同時視聴していたときのこと。

 その際「8人そろってライブっていいね」「うらやましいね」と森中と家長がつぶやき、伏見が「元二期生もいつかやりたいっすね!」と合わせると、「全員そろうところから始めよう!いままで揃ったことないからさ!」と家長がおもわずツッコミ、笑い合うシーンがあった。

【ライブ同時視聴】1期生ライブ『initial step in NIJISANJI』を見守る2期生の会【にじさんじ2期生】

 じつはデビューして以来、元二期生10名全員が同じ配信のなかで揃ったことがいちどもないのだ。端にチャンスに恵まれなかったといわれればそれまでだが、他のにじさんじの同期面々どころか他事務所のバーチャルタレントらと見比べれば、その異色な関係性は際立って見えてくる。

 ファンならばご存知だろうが、デビュー同期の元二期生同士によるコラボ・コンビ・ユニットは非常に多数あり、決して仲が悪いというわけではない。こうして当の本人らにとっても、「元二期生が勢揃いする」ということがひとつの夢になったのだ。

 2021年3月24日にはむぎたま3周年凸待ちでは「鍋パーティーを企画している」とがあきらかになっており、約1年後となった2022年1月19日に全員参加の鍋パーティーが開催される予定……であったが、新型コロナウイルスの感染急拡大を受けて自主延期、夢の舞台が持ち越しとなってしまったのだ。

むぎたま3周年記念凸待ち【にじさんじ】【文野環/野良猫】

 鍋パーティーと謳っている以上、開催されるとすれば2022年11月以降の冬頃になるとは思われるが、現状ギルザレンIII世を除く9人が3Dボディで配信することが可能であることを考えると、もしかすれば「鍋をつつき合う」以上の配信へと様変わりする可能性も十分にありえそうだ。

 いずれにせよ、10人の立ち姿がズラっと並ぶ景色は、そう遠くない未来に起こりそうではある。そのためにも、スローペースでゆっくりでも構わない、その活動を続けていってほしい限りだ。

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