『今日好き 皐月編』最終話ーー最終告白直前でまさかのリタイア? カップル成立したのは……

はやと、ゆいなに“フライング告白”!その結果は?

 『皐月編』最終話までを観終えて印象的だったのが、とにかく“最終告白前の実質的な告白”が続出したこと。つまり、彼らの心づもりがそれほど早く、かつ明確に決まるほどの運命を感じる相手に出会えたわけだ。

 その筆頭といえるのが、はやと(兼村隼人)×ゆいなの『初虹編』継続ペア。第4話終盤、おもむろに3本の赤い紐を取り出したはやと。この3本のうちどれか1本を自分の小指に結び、ふたりの選んだ紐が同じであれば(=繋がっていれば)お付き合いをしたい。しかも、この挑戦に失敗した場合、はやとはこの時点で旅をリタイアするという。

 まさに『皐月編』最大の賭け。およそ33%の成功率だが、ゆいなの答えは、そんな可能性の枠組みの外に置かれていた。「その運命の告白は受けられない」。いわゆる“ダブルバインド”によって、多くの人はこの運試しを受けてしまうだろう。だが言葉は悪いが、こうした一時の仕掛けに惑わされないほど、ゆいなは真剣にはやととの関係性について熟考したのだと受け取れる。ゆいながりんのすけ(春山凜之介)に捧げる想いと同じくらい、はやとがゆいなに向けているそれも、方向性こそ違えど強いものなのだ。お互いに勇気を振り絞った決断をしたからこそ、その想いを退けるのも辛い。

 残念ながら、第2話の振り返り記事で言及した『今日好き』過去成立カップルのように、継続組での恋が結ばれることはなかった。そして、はやとは間もなく旅からリタイア。この後「ゆい(ゆいな)のことはずっと応援している」と彼が託した想いも、りんのすけの決断により成し遂げられないまま儚く終わってしまうのだが、それでも誰も責められないのが、恋愛の難しいところである。

りんのすけ×あきは、早くも遠距離恋愛すら楽しむ“バカップル”に?

 最終告白前に恋破れたのは、かいと(石田海斗)も同様。男子から女子への“最後のアピールタイム”にて、あきは(大西陽羽)から「もうあき(あきは)は、キモチはりんにしかない」と、この時点で潔くフラれてしまったのだ。それでも「フラれるのはわかったけど」と、自分自身のキモチに整理をつけるべく告白を約束したかいと。こちらもまた、最終告白前に実質的なクライマックスを迎えてしまった。

 対して、最終告白前から成立濃厚だったのが、りんのすけ×あきは。あくまで個人の感覚的な話になり恐縮だが、あきはが横にいるときのりんのすけの表情は、もうすでに“カレシ”なのである。

 あきはは最後のアピールタイムにて、手作りケーキをサプライズでプレゼント。“お菓子作りが育んだ恋”に相応しいフィナーレであり、ケーキの上にはなにやらハナミズキのデコレーションが。ハナミズキの花言葉は「私のキモチを受け取ってください」。りんのすけが「大丈夫? “あーん”せんでよかった?」、あきはが「食べさす?」と、お互いのほっぺたをたっぷりのケーキで膨らませる姿は、もうカップル成立しているような空気感だった。

 そんな“甘い思い出作り”を終えて、りんのすけは最終告白で「ふたりで喋っていて、いちばん素でいられたのがあき(あきは)」「楽しくて、ちょっとバカなカップルになれると思うんだよね」「あきのことがめっちゃ大好きです」と想いを語る。結果はもちろんカップル成立! 旅が終わってからはビデオ通話でお菓子作りを楽しみたいなど、遠距離恋愛になることすら楽しんでしまうほど、早くも“バカップル”ぶりを覗かせてくれる姿が本当に微笑ましかった。

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