社員が全員失踪しました――そう嘆いていたYouTuberのラファエルが、事の真相を告白した。

　発端は、4月29日に公開した動画。一人正座した状態で登場したラファエルは深々とお辞儀をした後、「ラファエルメンバーの社員全員、失踪しました。厳密にいうと全員退職しました」と打ち明けた。なんでも、秘書を務める小倉さんから代表で連絡があり、この衝撃の事実を知ったらしい。

　ラファエルは「私、これでYouTubeを始めた時同様にですね、一人になりました。ピンチはチャンスというか、ポジティブに捉えて逆に初心を忘れず、初心に戻れたということでここから再スタート、リスタートできればと思っている所存でございます」と悲壮な覚悟を語り「とはいっても、いま抱えている事業の大きさがとんでもなく大きくなってきていますので、改めてスタッフを募集したいと思います」と求人募集を呼びかけた。この動画は大きな反響を呼び、5月5日時点で100万再生を超えている。

　ラファエルはYouTuberであるとともに、複数の会社を展開する経営者としての顔も持つ。そのため、多くの従業員を抱えており、なかには動画に度々登場する名物スタッフも少なくないが、彼のもとに人材が定着しているかといえば必ずしもそうではない。現に、最近も長年勤めたマネージャーが辞めたばかりだ。それに、“日本一時給の高いYouTuber”を謳い、羽振りの良さを全面に押し出す強気なキャラクターということもあってか、動画の中では社員にキツめのいじりやツッコミをする姿もよく確認される。そんな背景もあってか、この動画を本気にする人が続出。ラファエルに対して「頑張ってください」「応援しています」と激励の声が大半を占め、なかには「よっぽどラファさんに問題があったのですね」と経営者としての資質に疑問を投げかける声も散見された。

　こうした視聴者の応援や心配、批判に対し、ラファエルは斜め上の動画で応える。5月3日に公開された「【再スタート】応募があった新メンバーのみんなで初めてのYouTubeを撮影してみた【ラファエル】」と題した動画では、公募に集まった86歳、87歳、73歳の新メンバーを紹介。シニア3人に囲まれたサムネイルのインパクトは絶大で、急上昇ランク入りを果たすなど話題を呼んだ。

　そしてラファエルは、5月4日に公開された動画で「先日新メンバー募集の動画を見た元メンバーたちから連絡がありました」として、秘書の小倉さんとのLINEのやり取りを公開。小倉さんによると、社員全員が会社を辞めるというのは冗談で、単にゴールデンウィークのため皆休暇を取っていただけとのこと。つまり、GWで会社が休みなのにラファエルが勘違いして一人出勤していただけだった……というオチだった。

　こうして多くの視聴者を騙したラファエル。普通、このようなフェイクは少なからず反感を買うものだが、ネタバラシの動画のコメント欄を見る限り、「ふざけんな、めちゃくちゃ心配したぞ笑　今回は騙された笑」「素直に良かった。安心した」「騙されました!最高にうけます!」といった声が寄せられるなど、概ね好評だった。「全員退職」に関する3本の動画がいずれも高い再生数をマークしたほか、ネットニュースになるなど話題を呼んだことからも、今回のシリーズは大成功だった言えるのではないだろうか。