アプリ版『ポケトーク』は普及するのか ハードウェアとの違いから考える
とは言え、3万円近い端末を専用の翻訳機を購入するのは、ハードルが高い。海外を飛び回っていたり、日本で訪日外国人に接することが多ければ別だが、数年に1回の海外旅行のために『ポケトーク』を買う……とはならないだろう。その意味で、1週間120円からの『ポケトーク』アプリは、『ポケトーク』を利用するためのハードルを大きく下げる可能性がある。
日本での展開として、ソフトバンクと協業したインパクトも大きい。ソフトバンクは、ソフトバンクとワイモバイルの両ユーザーに対し、『ポケトーク』アプリを6カ月間無料で提供する。10月31日までの期間限定キャンペーンという位置づけだが、対象となる回線数が非常に多いだけに、これを機に『ポケトーク』を利用してみるユーザーは多そうだ。
コロナ禍での渡航制限が徐々に緩和され、ゴールデンウィーク前後からは海外ツアーも徐々に復活し始めている。まだまだコロナ禍前のように簡単には海外に行くことはできないものの、緩和が進めば『ポケトーク』アプリにとっての追い風になる可能性は高い。ソフトバンクは国際ローミングサービスを提供しているため、これもアプリとの相性がいい。
とは言え、翻訳アプリはプラットフォームを手掛けるGoogleやApple自身も提供しており、標準でインストールされている端末も多い。しかも利用料は、無料だ。アプリ化、こうしたアプリと同じ土俵に乗って戦うことも意味する。複数の翻訳エンジンを組み合わせた精度の高さや、使い勝手のよさをいかにアピールしていけるかが、今後の成長を左右する鍵になりそうだ。