日本の『VALORANT』は始まったばかりだーーOpTic戦を終えたZETA DIVISIONにインタビュー
ーーこれまでの試合ではショットガンの活躍がささっている場面が多くありましたが、今回の対戦ではあまりそういった場面がないように見えました。
crow:ショットガンに関しては、ジャッジやショーティが強いタイミングで積極的に使っていくスタンスなんですけど、今回はたまたまそういう機会がなかっただけで、戦略的に使わなかったというのはないですね。
ーーXQQコーチは今回の世界大会を振り返っていかがですか?
XQQ:今大会、僕たちは戦い方やメンタル面ではすごく優れていたと思いますし、最後のOpTic戦に関しては、先ほどもいったように自分たちが予想していたものよりかなり上回ってきたり、というので逃した勝利なのかなと。今後戦略的な幅を広げられるといいなと思っています。
ーーヘイヴンではとても好調な滑り出しだったかと思いますが、OpTicのタイムアウトを経て流れが変わっていきました。タイムアウトを経て何が変わったのでしょうか?
XQQ:OpTicのタイムアウトによって、こちらの攻めの方針が全体の意思統一からずれてしまって、本来であればみんなで決めたことをやろうというのが、ちょっとずれて、OpTicがその隙をついてきたことで崩されてしまったのかなと。
ーーフラクチャーでは今大会初の敗北となりましたが、OpTicの戦術はいかがでしたか?
XQQ:OpTicの構成は、各個人が使えるスキルが多く、それによってエリア取りや戦い方が複雑になっているのが彼らの強みだったと思います。そして、僕たちの守り方や攻め方を研究して、それに刺さるような、いままでに見たことのない戦い方をしてきたので、めちゃくちゃ上手かったです。そして同時に悔しいです。フラクチャーの負けのあと、メンタル的には、「BO5なので次を絶対とるしかない」という気持ちでバインドに挑みました。
ーー3マップ目が終わったとき、選手にどんな言葉をかけたのでしょう?
XQQ:僕もチームもまだまだこんなものではなくて、優勝を目指してやろうという気持ちはずっとあって、最後の1ラウンドまではそう思っていたんですけど、終わってからはここまで休みもなくプレイし続けて頑張ってきたみんなに対して、お疲れ様と声をかけていました。
ーー昨年のMastersベルリンの敗戦後のインタビューでは、「希望もなく今はもう後悔しかない」とおっしゃっていました。アイスランドを離れるいまの気持ちはいかがでしょうか?
XQQ:チームメイト5人、アナリスト1人、コーチ1人。彼らの仕事ぶりは誇りに思いますし、ここまで連れてきてくれたことに感謝します。しかしOpTic戦での自分の仕事ぶりはもっとできるものがあったんじゃないかなと後悔しています。
ーーこれからChallengers 2もスタートしますが、今回の結果を踏まえて、国内の他のチームに対して期待することはありますか?
XQQ:期待というと、上から目線で嫌な感じがしますが、僕らがいままで大会を見ながら学んできたように、僕たちのこのベスト3までの道のりを見て、どうプレイするのがいいのか僕らの敗因を見て、吸収して国内シーンの成長に繋げてくれたら嬉しいです。
ーーSugarZ3ro選手は今回の大会でオフラインは初めてとなりましたが、チームとしても個人としても注目を浴びる活躍でした。大会全体を振り返っていかがでしたか?
SugarZ3ro:初めてなりには頑張れたのかなというのはあるんですけど、やっぱり悔しいですね。まだまだ成長できるなというのは思っているので、Stage2も頑張ります。
ーーファンに向けて一言と、今後に向けてのお気持ちをお聞かせください。
TENNN:とりあえずベスト3ということで、日本は弱いというイメージのなかあまり期待されていなかったと思うんですけど、ここまで、みなさん信じて応援してくれてありがとうございます。今回のMastersでは、全チームのなかで僕たちが一番対戦数を重ね、いろいろ経験できたと思うので、Masters2ではもっといいチームになっていると思います。
ーー日本のタクティカルシューターのジャンルでは歴史的な結果を残すこととなりました。今回帰国するに当たってどのような気持ちでしょうか?
Laz:世界大会で日本のチームが善戦できて、ずっと弱いと言われてきていた日本リージョンが成長していることを世界に見せれてよかったなと思っているんですけど、大会結果だけ見ると「ベスト3なんてよくやったね」となるかもしれませんが、いまはOpTic戦で負けた悔しい気持ちが本当に強くて、Masters2でがんばって優勝を目指したいなという気持ちになっています。
当初「まずは1勝が目標」という面持ちで始まった「ZETA DIVISION」の世界への挑戦だが、連日の快進撃で世界TOP3という大躍進を遂げた。両手を挙げて喜ぶべき堂々とした結果だが、選手たちの表情には悔しさがにじむ。試合内容も決して完敗とは言えず、その上を目指せる可能性を秘めたひと試合だった。
今後は、今年2回目の世界大会である「Masters2」に向けて、国内予選が5月より行われる。「ZETA DIVISION」の活躍の裏で闘志を燃やす日本のチームたち。勢いのまま日本のZETA DIVISIONが国内を連覇するのか。それとも他のチームが待ったをかけるのか。世界に本リージョンの存在を知らしめた本大会だが、ここがピークではない。日本の『VALORANT』はまだまだ始まったばかりだ。
(メイン画像=Getty Imagesより)
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