Anker、オーディオグラスや3Dプリンターなど新製品を発表 “デジタル総合機器メーカー”としての飛躍を掲げる
コロナ禍でテレワークが常態化し、オフィスへの出社から自宅やカフェ、コワーキングスペース、ホテルなど多様な場所で仕事をする機会が増えている。
このように働き方が変化する一方、どんな場所でも最高のパフォーマンスを発揮するのに大切になるのがパソコンやその周辺機器だ。
作業の効率化や快適なワークスタイルを実現するためにも、自分の働き方に合った商品を選ぶことが肝になるだろう。
そんななか、モバイルバッテリーやワイヤレス充電器、急速充電器といった“充電”のグローバル・リーディングブランドとして市場を牽引しているのが「Anker(アンカー)」だ。
現在ではモバイル充電ブランド「Anker」のほか、オーディオブランド「Soundcore」、スマートホームブランド「Eufy」、プロジェクターブランド「Nebula」など、多種多様なハードウェア製品を展開している。
そんな同社の日本法人であるアンカー・ジャパンは、去る2022年4月13日に、プレス発表会「Anker Power Conference - ‘22 Spring」を開催し、今後におけるビジネス戦略や新製品の紹介を行った。
充電関連製品の販売個数が累計3,000万個を突破
冒頭には、アンカー・ジャパン株式会社 代表取締役 CEOの猿渡歩氏が登壇。
直近におけるビジネスの概況や今後の展望について発表した。
Ankerグループは「Empowering Smarter Lives」をミッションに掲げ、さまざまなハードウェア製品において高機能かつ高品質なプロダクトを開発してきた。
アンカー・ジャパンは2013年に設立以来、順調に事業を伸ばすことに成功している。
2018年には100億円、2020年には200億円、そして2021年には300億円の売り上げを達成した。
「メインの販売チャネルとして展開するEコマースに加え、2018年から展開する直営店『Anker Store』も全国に15箇所構え、店舗体験を強化したことで、2021年は前年比40%以上の成長率を上げることができた」
こう振り返る猿渡氏は、事業の中核に据えるチャージング関連製品はもとより、オーディオやスマートホーム、プロジェクターなどのカテゴリーにも製品を広げてきたことで、「『デジタル総合機器メーカー』として飛躍できたことが、売り上げを大きく伸ばす要因になった」と話す。
特に近年発売した新製品が、事業成長のキーになっているという。
Soundcoreにおいては、2021年1月に発売した独自ノイズキャンセリング機能搭載の「Soundcore Liberty Air 2 Pro」、そして2021年11月発売のハイレゾ音源の再生を可能にしたシリーズ最上位モデル「Soundcore Liberty 3 Pro」といった製品が好評を博し、20,000円以下のノイズキャンセリング機能つき完全ワイヤレスイヤホンの中で販売数量シェアNo.1を獲得したそうだ。
またNebulaについても、持ち運びに便利なモバイルプロジェクターの「Nebula Capsule II」や「Nebula Vega Portable」、ホームプロジェクターの「Nebula Cosmos」など、さまざまな利用シーンに合ったプロジェクター製品を投入したことで、こちらも販売数量シェアNo.1のブランドにまで成長している。
さらにコア事業のAnkerでも、コンパクト急速充電器「Anker Nano ll」 シリーズを発売し、さらなる市場拡大を図っている。
国内における充電関連製品の累計販売個数は3,000万個を突破し、まさにモバイル充電ブランドのリーディングカンパニーとして呼ぶにふさわしい状況と言えよう。
猿渡氏は「Anker独自の『PowerIQ』や『Anker GaN ll』」といった技術革新を生み出してきたことが、事業成長に寄与した要因だと考えている。今後もお客様に愛されるブランドへと成長できるように尽力したい」と語った。
家庭用3Dプリンターやスマートトラッカー製品の販売予定も
続いて、アンカー・ジャパン株式会社 マーケティング本部長の吉野優希氏が登壇し、新たなブランド展開やそれに付随するビジネス戦略についてプレゼンを行った。
まず、大きなトピックとしてはAnkerから新たに2つのサブブランド「AnkerMake」と「AnkerWork」をローンチすることだ。
AnkerMakeは「その人が持つ、クリエイティビティの最大限の発揮をサポートする」ことをコンセプトに掲げるブランドだ。また、AnkerWorkは「オフィスでも自宅でも、その人らしく活躍できるベストな仕事環境のサポート」するブランドになっている。
前者の第1弾製品としては、3Dプリンター「AnkerMake M5」を今冬に販売を予定しているという。
3Dプリンター市場に参入した背景について、吉野氏は「家庭用の3Dプリンターは、まだまだポテンシャルのある市場で参入する余地が十分ある」と説明する。
特徴的なのは、安定的な印刷速度と高い印刷精度を誇ること。
Ankerの独自技術「PowerBoost」を採用することで、印刷速度50mm/sの3Dプリンターと比較した場合に約5倍もの作業スピードを実現できるという。
また、業界初のAI機能カメラを搭載し、専用のアプリを用いることで常時モニタリングが可能になる。
さらに、元となるデータと仕上がる造形物をリアルタイムに比較し、仮に失敗したとしても自動で停止できるような仕様になっているそうだ。
そして、製品本体は3つのパーツで構成され、組み立てに要する時間もおよそ15分とセットアップも簡単になっているとのこと。
後者の第1弾製品には、リモートワークに最適な4-in-1ビデオバー「AnkerWork B600 Video Bar」を2022年6月に発売開始を見込んでいるという。
Webカメラ、スピーカー、マイク、ライトが一体となった製品で、リモートワーク環境下でストレスフリーかつ快適なワークライフを送れるようなスペックを兼ね備えている。
次いで、スマートホームブランドのEufyも、さらなる成長に向けて「Eufy Security」、「Eufy Clean」、「Eufy Baby」、「Eufy Pet」の4つにカテゴライズし、展開していくとのことだ。
「これまでロボット掃除機や見守りカメラ、ペットカメラなど、生活関連の製品ラインナップを提供してきたが、多様化するお客様のニーズに合わせるため、4つのサブブランドを新たに立ち上げ、スマートライフ実現に貢献できるようにしていきたい」と吉野氏は言う。
この日発表されたのはEufy Cleanの「Eufy RoboVac L35 Hybrid+」と、Eufy Securityの「Eufy SmartTrack Card」および「Eufy SmartTrack Link」だ。
Eufy RoboVac L35 Hybrid+は、ロボット掃除機の新製品としてシリーズ初の自動ゴミ収集ステーションが付いたモデルとして2022年7月上旬に発売を開始する予定だという。
ちなみに自動ゴミ収集ステーションは、3リットルの大容量を有し、約2ヶ月間ゴミ捨てが不要になるそうだ。
また、スマートトラッカー(紛失防止端末)製品として、カード型の「Eufy SmartTrack Card」とタグ型の「Eufy SmartTrack Link」を今秋に販売を開始する予定とのこと。
特筆すべきなのは、アップルが提供する「Apple Find My」と連携予定である点だ。
アップルの紛失防止タグ「AirTag 」と同様、万が一大切な物を紛失した際も、アップルの持つ世界中の探索ネットワークを駆使できるわけである。
財布やパスポート、鍵、自転車、子どもの荷物やペットの首輪など、さまざまな物に活用できるスマートトラッカーは、Eufy Securityの新たな主力製品になるかもしれない。