ビジネスとクリエイティブを拡張する Adobe Expressの可能性

「SNSにはきっかけを置いておきたい」東京・渋谷の古着店「BOY」がインターネットに思うこと(前編)

ーーSNSへの投稿で気をつけていることはありますか?

奥冨:「よくわかんない人だな」って思われるのが楽なので、読んでも全貌がつかめないようにしています。僕や僕の扱う服に興味を持ってくれた人がSNSを見て、でもよくわからなくて「何だこの人?」ってなったら、「BOY」に来ればなんとなくわかると思うんです。もちろん、お店に来ても僕のすべてはわからないだろうけど、SNSを見ているだけでは伝わらないことのほうが多いし、「どこにでもきっかけを置いておきたい」と思っているから、たとえばここに来るまでに「『BOY』って、どんな店なんだ?」って思ってもらえるようなバランス感で、全部を見せきらないように投稿しています。投稿には、店に興味を持ってもらえるような「謎」が絶対必要だと思いますね。

そしてお店に来てくれたら、この店のことは一応少しわかるじゃないですか。どんなものを置いていて、どんなバランスで、僕と喋ったらこんな印象で、みたいなね。「足を踏み入れる」っていう体験をしてほしいから、その導入になるような投稿を心がけています。本当にまったく投稿せずに、訳のわからな過ぎるお店をやりたいわけでもないし、かといって入荷した商品を全部アップして、事細かくスタイルを提案したいわけでもない。想像させたいというのがありますね。考えさせたい。

ーー先ほども話題に出ましたが、まさにSNSの隆盛が始まるタイミングでお店を始められていますね。

奥冨:独立オープンの半年前ぐらいにInstagramを始めました。写真日記のような形式で1日に3投稿ぐらいしてましたね。やがて写真を複数枚あげられるようになったり、ストーリーズができたりして、情報をいくつかのポジションで受け取れるような仕組みになった。お客さんでもやる人が増えて、いまでは電話番号は知らないけどインスタは知っている人ばっかりですね。お店にとっては欠かせないし、ポータルサイトのトップ画面みたいにいろんな情報が集まっている。お店としてはさっき言ったように、見せる部分と見せない部分を分けて使ってるので、そこまで感じ取ってもらえるかはわからないけど、そういうバランス感で楽しんでます。SNSは魅せられる塩梅を自分で決められるから、すごい好きなんですよ。

BoyのInstagramより。

それにデジタルコミュニケーションっていうか、リアクションがもらえるのも嬉しいですよね。何かを投稿して、後日会った人に投稿が面白かったとか言ってもらえると、デジタルからフィジカルにリアクションがもらえるわけじゃないですか。もうこれは使うしかないという感じですね。だから特に抵抗もなく、今でもSNSはずっとやってます。

ーーアドビが提供する新しいサービス「Adobe Express」では、SNSへのクリエイティブな投稿を簡単に作成できます。こうしたデザイナブルな投稿に興味はありますか?

奥冨:ありますよ。ただ僕、こういうものに疎くて。SNSにおいてすごく大事な要素としてデザインがあると思うんですが、僕はインターネットやパソコンのデザインする機能……アプリケーションとか、本当にまったくわからないんですよ。店主としてちゃんと勉強しろって話なんだけどできなくて。SNSって投稿のデザインとか、それをどういう形で届けるのかにも趣味嗜好や意思を手軽に出せるから、そういうところも好きですね。

ーーまさにそういったクリエイティブを簡単に作ってもらうためのサービスです。スタートの画面を見て、作りたいものとかって浮かびますか?

奥冨:実は僕、もう4年も名刺を作っていないんです。一時期は手書きで書いてその場で渡していたのですが、さすがに作らないとまずいなと思っていました。名刺に限らず、この画面自体が何かを作るいいきっかけになりそうですね。「これ、作ってみたいな」っていう最初の動機になる。

ーー名刺のテンプレートに気になるものはありますか。

奥冨:シンプルな方がいいかな。「BOY」のロゴがあるから、それを入れたい。

ーーロゴの画像があったら簡単に差し込めますし、フォントも豊富なAdobe Fontsから選べます。

奥冨:3分とかでできちゃうね。これは使いこなしたらテンプレートからかけ離れたようなデザインもできそうですね。これだけテンプレートがあるなら、このソフトで作ってても他のお店とも被らなさそうで、それもいいね。

 奥冨氏の人柄から地続きに運営されている「BOY」の謎めいた魅力について、大いに語っていただいたインタビュー前編。後編では古着店ならではの活用方法に加えて、「Adobe Express」のユニークな使い方も提案していただいた。

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