LINE PayでNFTの売買が可能に。スクエニ、吉本興業も参入する「LINE NFT」4月から提供開始

「LINE NFT」4月から提供開始

 LINEは3月23日、「LINE NFT」戦略発表会を開催。ユーザー間のNFT取引も可能な総合マーケットプレース「LINE NFT」を4月13日から提供すると発表した。LINEの子会社のLVC株式会社(株式の93%をLINE、7%を野村ホールディングスが所有)が運営する。ローンチラインアップとしては、吉本興業など計17コンテンツと連携し、7ジャンル100種類以上のNFTを販売する。

NFTとは?

「LINE NFT」戦略発表会

 最近、いろいろな場所で見たり聞いたりすることが増えたNFTだが、実際のところ、それが何なのかと問われても、答えられる人はさほど多くはないのではないだろうか。NFTは、Non-Fungible Token(非代替性トークン)のこと。

 これまで、デジタルデータは簡単に複製ができてしまうので、資産があるものとしては見られてこなかったが、ビットコインなどの暗号資産で利用されるブロックチェーン技術で生成されるNFTは、複製や改ざんが極めて難しいものとなっている。これをデジタルデータと紐づけることで、そのデータを所有しているのが誰なのかを簡単に証明することが可能になった。LVCのCEOである林仁奎氏は、NFTを「コピーできないデジタル所有証明書」と説明した。

「LINE NFT」戦略発表会
LVC株式会社CEO・林仁奎氏

 そのNFTには、「1点ものの所有」「所有情報の移転」「コンテンツホルダーへの利益還元」の3つの魅力があるという。「1点ものの所有」は先に挙げたデジタル所有証明書のこと。たとえば、Twitterの創業者ジャック・ドーシー氏が自身の最初のツイートをNFTとして販売、3億円以上で落札されたのは有名な話。とはいえ、ツイート自体は単なる文字列なので、コピー&ペーストでいくらでも複製できる。では、一体何に3億円以上も支払ったのかという話になるが、NFTというのがその答えだ。コピーはいくらでも出回るが、コピーできないデジタル所有証明書としてのNFTにより、オリジナルの所有者は常に明確になっているわけだ。まさに「1点ものの所有」といっていいだろう。

「LINE NFT」戦略発表会

 また、暗号資産の取引のように、NFTも売買が可能だ。林氏は、「NFCはブロックチェーン上で追跡可能な特徴を持っているので、ユーザー間を転々と移動する過程でも、今誰がこのデジタルデータを所有しているのかを簡単に証明できる」と説明する。そして、NFCがユーザー間で売買された場合に、コンテンツホルダーにその利益の一部が還元される仕組みを備えるのもNFCの魅力だとしている。

総合マーケットプレース「LINE NFT」

 LINEでは、2018年から、NFTに必要なパーツ(技術)を国内外で開発・提供してきた。基盤となるブロックチェーンには独自の「LINE Blockchain」、暗号資産として「LINK」、暗号資産交換所として国内では「LINE BITMAX」、グローバルでは「BITFRONT」を展開している。

「LINE NFT」戦略発表会

 また、2021年には「NFTマーケットβ」の提供を開始していた。NFTマーケットβでは、購入に利用できるのはLINE独自の暗号資産であるLINKのみで、ユーザー間取引の二次流通のみを提供していたが、正式サービスとなるLINE NFTでは、「LINE Pay」を使用した日本円決済を利用可能。自身のNFT作品を販売でき、一次販売にも対応する。LVCのブロックチェーン事業部 事業部長 上遠野大輔氏によれば、ソフトバンクやZホールディングスグループと連携し、今後、決算手段としてPayPayも利用可能にすることを検討しているという。

「LINE NFT」戦略発表会
LVC株式会社 ブロックチェーン事業部 事業部長 上遠野大輔氏

 NFTに必要なパーツをLINEですべて用意しているのもLINE NFTの特徴となっている。このため、LINE上でNFTを送りあうといったことも可能になる。LINE NFT自体はウェブサイト上での提供となるが、LINE IDベースでの利用となるため、別途専用のアカウントを取得する必要はない。

 「NFTは、その盛り上がりの裏に多くの課題を残っているのと同時に、多くの可能性を秘めている」と上遠野氏。「我々はその可能性を切り開き、人とNFTとの距離を縮め、 NFTが身近になる世界を目指して挑戦していきます」と力強く語っていた。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「ニュース」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる