紙のような質感のスマホ? 深澤直人デザイン「realme GT 2」発売の背景
新興系のスマートフォンメーカーであるrealmeは、日本人デザイナーの深澤直人氏が本体デザインを監修したスマートフォン「realme GT 2」シリーズを3月15日からヨーロッパで発売する。
日本ではまだあまり名前の知られていないrealmeは2018年に中国深圳にて誕生した新しいメーカーだ。そのrealmeが日本人をデザイナーに起用したとは驚きだが、実は過去にも同氏デザインのスマートフォンを複数モデル投入してきた。今回紹介するrealme GT 2は本体デザインのみならず、背面の素材にも大きな注目が集まっている。
深澤直人氏は無印良品などのデザインを手がけ、携帯電話やスマートフォンではKDDIの「INFOBAR」のデザイナーとしても知られている。赤や白のカラーをブロックのように大胆に配置したINFOBARは国内のみならず海外からも大きな注目を集めたほどだ。新興メーカーのrealmeは低価格なスマートフォンを展開し、新興市場で頭角を現しているが、価格競争だけではブランドロイヤリティーは高まらない。IT製品のプロダクトデザインも手掛ける深澤直人氏とコラボレーションすることで、他社にはない唯一無二の製品を生み出そうとしているのだろう。
realme GT 2は本体の背面に紙パルプなどの再生可能な資源を原料としたバイオポリマーを世界で初めて採用した。SABIC社と協業して開発したこのバイオポリマーは背面パネル製造時の二酸化炭素排出量を35.5%削減することが可能で、ISCC(欧州再生可能エネルギー認証スキーム)認証も受けている。
さらには素材にこだわっただけではなく、12カ月の期間をかけ1000時間を超えるカラーテストなどを行い、表面に本物の紙のような風合いと色を再現した。一般的なスマートフォンの背面はガラスや金属で出来ているが、realme GT 2を手に握ると自然の素材に触れているような心地よさを感じられるという。
realme GT 2は上位モデルの「realme GT 2 Pro」と、カメラ性能を若干抑えた「realme GT 2」の2モデルが販売される。本体カラーは全4色で、そのうちのペーパーホワイト、ペーパーグリーンの2色がバイオポリマーを採用。パッケージも内部構成を再設計し、21.7%使われていたプラスチックを0.3%まで削減、パッケージの印刷には再生資源から作られた環境配慮の大豆油インクを100%試用している。なお背面をガラス研磨処理にしたモデルも用意される。