『鬼武者2』発売20周年 松田優作さんの十兵衛で何度でも遊びたくなる戦国剣戟

 2022年3月7日は、かつてカプコンより発売されたPlayStation 2(以下、PS2)用アクションゲーム『鬼武者2』の発売20周年記念日だ。すでに続編がリリースされなくなって久しいシリーズではあるものの、俳優をキャラクターのモデルに採用していたり、爽快感のある剣戟を楽しめたりと思い入れが強い人も多いのではないだろうか。今回は、発売20周年を機に、『鬼武者2』がどのようなアクションゲームだったのか振り返る。

爽快剣戟アクションゲームの第二弾

 『鬼武者2』は、2002年3月7日に発売されたPS2用アクションゲームだ。PS2としては初のミリオンセールスを記録した『鬼武者』の続編であり、本作も国内累計出荷本数は110万本、全世界累計販売本数は210万本を超えている。

 本作の舞台は、「幻魔」と呼ばれる異形の魔物が蔓延る、架空の戦国時代だ。鬼の力を持つ主人公「柳生十兵衛」は、故郷を滅ぼした幻魔の王「織田信長」を討ち取るため旅立つことになる。

 『鬼武者2』のキャッチコピーは「愛と哀しみのバッサリ感」で、多彩な剣戟アクションを繰り広げられるのが特徴だ。十兵衛が扱える武器は、刀・槍・薙刀・槌・大剣の5種類。それぞれ特徴の異なる武器を駆使して「幻魔」と渡り合う。

 また、本作のアクションを特徴づけるシステムが「一閃」だ。一閃は、敵の攻撃を受ける直前に攻撃ボタンを入力することで発生する、いわばカウンター技である。失敗したときのリスクはあるものの、一閃を決めればボス以外の敵を一撃で倒すことができるほか、ボスにも大ダメージを与えることが可能だ。さらに、一閃で敵を倒すと体力回復や武器強化に使える「魂」をたくさん落とすというメリットがある。一閃を積極的に決めることができれば、ゲームをよりスムーズに進行できるようになるのだ。

 そのほかにも、必殺技に該当する「鬼戦術」や「鬼武者化」など多様な攻撃手段が用意されている。一閃が苦手な人でも十分クリアできる絶妙な難易度設計も、本作の評価点だろう。一方、一閃でしか敵を倒せないという歯ごたえのある難易度も用意されていた。

故・松田優作を主人公にモデルに起用

 戦国時代を舞台とした『鬼武者2』には、史実に基づいたキャラクターが多数登場する。たとえば、主人公柳生十兵衛は、戦国末期と江戸初期に実在した「柳生三厳」「柳生宗厳」をモデルとした人物だ。

 とはいえ、創作における登場人物のモデルを史実から引っ張ってくること自体は、珍しくはない。むしろ、本作の発表時に話題になったのは、十兵衛の顔のモデルとして、俳優の故・松田優作が起用されていたことではないだろうか。

 前作『鬼武者』においても、主人公のモデルには俳優の金城武が起用されていた。近年でも、「ロスト・ジャッジメント」の木村拓哉、「サイバーパンク2077」のキアヌ・リーブスなど、俳優をキャラクターのモデルとして起用している作品は少なくない。しかしながら、故人がモデルとなっているケースはかなり珍しいのではないだろうか。

 なお、声を当てていたのは、松田優作氏のモノマネでバラエティ番組に出演したこともあるハードボイルド工藤。声優としての仕事は初めてだったため、『鬼武者2』の収録にあたり本業の声優に師事したという。

関連記事