『鬼武者2』発売20周年 松田優作さんの十兵衛で何度でも遊びたくなる戦国剣戟

キャラクターとの親交を深めるシステムによって何周でも遊べる

 『鬼武者2』では「小谷のお邑」「風魔小太郎」「雑賀孫市」「安国寺恵瓊」の4人が仲間として登場する。この4人と交流し、品物を渡すことによって好感度を上げていくことができるが、これがなかなか面白い。

 というのも、キャラクターによって嗜好が異なり、渡す品物が同じでも反応が大きく変わってくるためだ。たとえば、安国寺恵瓊は酒好きで、基本的に酒を渡せばなんでも喜ぶが、黒ビールだけをもらったときだけは複雑そうな表情をする。一方、数ある酒のなかでも、なによりも黒ビールを嬉々として受け取るのが雑賀孫市だ。このような仲間とのやり取りから、本作のキャラクター設定がよく練られていることを実感できる。

 そして、キャラクターの好感度はシナリオに大きな影響を及ぼす。好感度がもっとも高いキャラクターは相棒のような存在となり、各地での戦闘を手助けしてくれるだけでなく、十兵衛とともにストーリーを牽引する存在となる。また、一時的にプレイアブルキャラクターとして使える場面も存在する。

 仲間が4人いるため、すべてのイベントを見るためには最低でも4周プレイする必要がある。しかし、本作の1周あたりのプレイ時間は長くとも15時間程度で、周回プレイが苦痛になるほどの長尺ではない。また、先に述べたように仲間たちの性格付けや背景がしっかりと練られていることもあり、一人ひとりのシナリオがつい気になり、筆者も気付けば4周以上遊んでいた。

 ちなみに、続編となる『鬼武者3』ではこのシステムは廃止されてしまった。個人的には、仲間と交流することでストーリーが変化するこのシステムが非常に好みで、『鬼武者2』こそシリーズ最高傑作だと感じている。当時、鬼武者を遊んだあなたにとっての最高傑作はどれだろうか。

 本作は現状PS2でしかプレイできないが、今でもときどき遊びたくなるタイトルだ。2018年には初代『鬼武者』のリマスター版がPS4やNintendo Switch向けにリリースされたこともあり、続編である『鬼武者2』のリマスターもいつか出ないかと期待している。

 もしも現在PS2を持っている方は、この機会にもう一度『鬼武者2』を遊んでみてはいかがだろうか。

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