「耳をふさがない」完全ワイヤレスイヤホンやNiantic・Spotifyとの連携も ソニーが発表した新製品&新たな試みとは

 商品説明後に行われたパートナー企業とのトークセッションでは、ソニー株式会社モバイルプロダクト事業部から商品企画部統括部長 伊藤博史氏、事業部長 中村裕氏に加え、スポティファイジャパン株式会社代表取締役のトニー・エリソン氏、株式会社ナイアンティック代表取締役社長・村井説人氏、日本マイクロソフト株式会社執行役員常務・渡辺宣彦氏が登壇した。

 『ポケモンGO』などを展開するARゲームのリーディングカンパニーであるナイアンティックのビジョンは「ユーザーが仲間と世界を探検する体験の手伝いをする」というもの。現実世界とデジタル世界が融合するARゲームを通して地球の素晴らしさに気付いてもらいたいというナイアンティックと、外部の音を自然に聴きながらデジタルの音を重ねることができるLinkBudsが結びつくことで、オーディオARの世界をより活性化することを期待するという。視覚だけでなく聴覚も使ったARの活性化を目指し、今後はナイアンティックが展開する「Ingress」への“音のAR”の実装を予定しているそうだ。

 マイクロソフトは音声ガイドアプリ「Soundscape」とLinkBudsの連携を検討中だという。ミッションとして「地球上の全ての個人や組織がより多くのことを達成できるようにする」を挙げるマイクロソフトは、「Soundscape」の日本語版をLinkBudsの解禁に合わせた今月16日にリリース。地図データなどを音声で伝えることができるため、聴覚から情報を取り入れながら街歩きを行うことができることになる。また、コロナ禍の影響でMicrosoft Teamsの使用が増えたことを受け、よりシームレスな働き方であるハイブリッドワークを模索中であるという。「両手、両耳が解放されることで、よりハイブリッドワークの可能性を広げていけるのかなと」とLinkBudsを使用することでの期待を語った。

 Spotifyのトニー・エリソン氏は、LinkBudsとSpotifyのどちらもユーザーの生活に密着することを目標としていることを踏まえ「SpotifyのビジョンがLinkBudsのビジョンと全く同一ではないか」と印象を口にする。また、Z世代が起床から通学通勤、許可さえ出れば授業中まで、そして帰宅後も含め一日中音楽を聴いていることを挙げ、LinkBudsがあることでよりその体験が充実するのではと予想した。

 音楽の聴取はもちろん、ARの体験や働き方にまで影響を及ぼすであろうLinkBuds。発売開始後、オンラインとオフラインが繋がる体験を受けて人々の日常がどう変化していくのか、そしてソニーがLinkBudsを用いてどのような取り組みをパートナー企業とともに行うかにも注目したい。

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