ヒカルのチャンネル新レギュラーは上智女子大生? 「再生数が下がったら交代」のシビアな戦略に迫る

 彗星のごとく現れた上智生だが、ヒカルはチャンネルの初期から、反響の良かった人物を「レギュラー」のような形で一定期間に複数回登場させる戦略をとってきた。

 ヒカルの地元・兵庫県姫路市にあるゲームショップ『遊楽舎』の店長にはじまり、記憶に新しいところでは元・雨上がり決死隊の宮迫博之と、ファッションモデルのねおの2名。宮迫が父、ヒカルが息子、ねおが娘という「家族」の設定で、複数回にわたって動画を企画している。

 視聴者が求めている人であれば、積極的にコラボ。逆に反響があまりなければ、コラボの回数を減らす。実際、上智生との動画でもヒカルは「次も出られるかは反響次第」と伝える場面がたびたびあった。

 その面だけを切り取ると、一見ヒカルは「数字至上主義」の冷酷な人間のように映る。もちろん「再生数や高評価数をチェックする」という点で、数字を重視していることはたしかだ。しかしそれだけではない、ヒカルの「優しさ」も同時に存在するチャンネル戦略だからこそ、460万人もの登録者を獲得してきたのだと筆者は思う。

 たとえばヒカルは、たびたび上智生に向かって「売名が一番嫌い」と発言している。しかし3回目の動画にて、概要欄の一番上に貼ってあったのは、上智生がマネージャーを務めるアイドルグループ『ルルネージュ』の新曲URL。9千人に満たない、ルルネージュのYouTubeチャンネルにて公開された新曲の再生数は、現在36万回を超えている。

 また2021年の年末に、男女YouTuberコンビ「ヴァンゆん」が結婚企画の生配信で炎上したときには、数日後にヴァンゆんを直撃。動画では、視聴者が知りたいけど2人が説明しきれていなかったことをヒカルが質問したり、今後のチャンネル戦略についてアドバイスしたりする場面があった。ヴァンゆんの1人であるヴァンビは、動画の最後に「めっちゃいい話が聞けました」と感謝。動画の序盤より、明らかに声のトーンが上がっていた。そしてこの動画の再生数は、180万回を超えている。

 仕事として取り組んでいる以上「反響のある人と優先的にコラボする」というシビアなスタンスは、有効なチャンネル戦略だ。しかしそれと同時に「コラボ相手にとって有益な撮影時間にする」や「コラボ相手の評判を上げる」といった「優しさ」もまた、ヒカルを表現する要素なのである。

 ヒカルから上智生への「優しさ」はいつまで見られるのか、次回以降も目が離せない。

※動画の再生数、高評価数、コメント数はすべて2022年2月11日時点のもの

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