テロが起きる可能性も? 高騰する「メタバース地所」投資による脅威とは

「悪意のある創造性」が発揮される可能性

 オピニオンメディアのThe Conversationが1月7日に公開した記事では、メタバース地所の投資におけるリスクとは別種の脅威が論じられている。アメリカ・ネブラスカ大学のJoel S. Elson教授らが参加するテロの脅威について研究しているチームは、メタバース地所がテロの新たな標的になり得る可能性を指摘している。

 Elson教授らの研究チームはメタバース自体には人類を進歩させる可能性があることを認めたうえで、メタバース内で「悪意のある創造性」が発揮される可能性を懸念しており、そうした懸念の最たるものがメタバース地所を標的としたテロである。

 Elson教授らが想定するメタバースにおけるテロ活動とはテロリストの勧誘に始まり、テロ行為の計画立案、そして最終的にはメタバース内での破壊行為に至る。こうしたテロ行為は、メタバース内での金銭的取引がさかんになるほど被害が深刻になると考えられる。

 Elson教授らは、本格的なメタバースが誕生するより前にメタバースに関する治安維持と安全保障について注意を払うべき、と述べている。

 現在成長中のメタバースが映画『レディ・プレイヤー1』で描かれているような巨大コミュニティに成長するには、現実世界と同等の安心が得られる空間である必要があるだろう。そうした安心を実現するには、経済面だけではなく治安面でも安定した空間となるためのルールや管理体制の整備が不可欠だろう。

(画像=Decentraland公式サイトより)

(参考)
https://www.cnbc.com/2022/01/12/investors-are-paying-millions-for-virtual-land-in-the-metaverse.html
https://theconversation.com/the-metaverse-offers-a-future-full-of-potential-for-terrorists-and-extremists-too-173622

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