カシオ計算機、歌声を演奏できる電子キーボードを開発 3月上旬販売へ

 カシオ計算機は、電子キーボード“Casiotone(カシオトーン)”の新製品『CT-S1000V』を3月上旬に発売すると発表した。特別な演奏スキルや細かい調整を必要とせず、鍵盤で歌声を演奏できる新感覚の電子キーボードだという。

 『CT-S1000V』は、新たな鍵盤演奏表現や楽曲制作を楽しみたいミュージシャンや音楽クリエイターに向けた電子キーボードで、新開発の音源技術「Vocal Synthesis(ボーカルシンセシス)」の搭載により、歌詞の情報とボーカル音色を組み合わせて作った人間の声やロボットボイス、動物の歌声などを演奏できる。

 「Vocal Synthesis」は楽器で歌声を作り出すカシオ計算機独自の音源技術だ。歌詞やメロディにより複雑な音色変化を生じる人間の歌声は、従来の音源技術では再現が難しいとされていた。「鍵盤で歌声を演奏する」というコンセプトの製品は今までも存在したが、特殊な演奏スキルや細かい調整を必要とするため、誰もが気軽に演奏できるとは言いがたいものだった。これらの解決方法として、膨大な歌声のデータを元に歌い方をシミュレーションし歌詞のフレーズを生成、声色のデータと掛け合わせることで、滑らかな人間の歌声を生み出すことを実現したという。

 『CT-S1000V』では、鍵盤を押すたびに音節ごとに歌詞を発音する演奏方法だけでなく、あらかじめ設定した歌詞フレーズを、鍵盤演奏の音程やハーモニーに合わせて自動的に歌わせる演奏方法もある。これによって歌詞と演奏にずれが生じず、歌詞に縛られない自由な演奏が実現できる。100種類の歌詞のフレーズを本体に内蔵しているほか、専用アプリ「Lyric Creator(リリッククリエイター)」上で、オリジナルの歌詞の作成や詳細な発音の編集などが可能になっている。

■カシオ計算機『CT-S1000V』
URL:https://music.casio.com/ja/products/casiotone/cts1000v/

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