『格闘DREAMERS』出身の中村倫也・宇佐美正パトリック、世界ランキング9位の猛者たちに勝利

 LDHが仕掛けた、世界に通じる格闘家を発掘するプロジェクト『FIGHTERBATTLEAUDITION』に合格し、LDH martial arts所属選手としてプロデビューを果たした中村倫也と宇佐美正パトリックが『プロフェッショナル修斗2022開幕戦』に揃って出場。会場を揺るがすほどの激闘を展開した。

 第8試合にエントリーされたのは“獰猛な拳”の異名を持つ宇佐美正パトリック。デビュー戦では強烈な左ボディで相手を沈め、高校ボクシング6冠という実績はダテじゃないことを実証。続く第2戦はビッグマッチ「VTJ2011」に出場し、オープニングマッチで激勝。MMA選手としての進化を見せつけつつ大会に勢いをつけた。今回が早くも3戦目となる。

 対するのはマスタージャパン福岡に所属する菅原和政。菅原も「VTJ2021」に出場、急なオファーにもかかわらずライト級王者の西川大和と対戦し、的確な打撃で西川の右目を大きく腫らすなどの爪痕を残した強豪だ。

 宇佐美は入場時から気合い充分、ひと吠えしてからケージにイン。試合が始まるといきなりハイキックを放っていく。菅原も打撃戦を受けて立ち、前蹴りを繰り出すがこれがローブローとなり、タイムストップ。

 試合再開となり、回復した宇佐美がハイキックを放つが、バランスを崩して倒れてしまう。そこに菅原が組付いてフロントチョークの形に。しかし、宇佐美は落ち着いて立ち上がり、体を離すことに成功する。

 宇佐美は伸びのあるパンチに加え、空手のベースを活かした強力な蹴りで追い込むが、菅原もローキックや重いパンチを返していく。宇佐美の右パンチが菅原の顔面をかすめ、さらにワンツーで追い込むが、菅原はかわしてタックル。これを膝蹴りで対処する宇佐美、と緊張感のある打撃戦が続く。

 残り時間10秒。宇佐美が放ったオーバーハンド気味な右パンチがカウンターヒット! 腰を落とした菅原に宇佐美は右フックで追撃、なんとか立ち上がろうとする菅原にさらに右の起き攻め4連打が入るとレフリーが試合をストップ。宇佐美は劇的かつ、獰猛な勝利を飾った。 

 試合後のマイクでは周囲のサポートに感謝し、「僕の大先輩が次に出てくるので、それを観てから気持ちよく帰ってもらえたらと思います」と、続いて試合に臨む中村倫也にバトンを渡した。

 中村倫也はアマチュアレスリングで世界王者に輝くなど輝かしい実績を持ち、そのハイレベルな寝技に注目が集まっていたが、総合格闘技デビュー戦は鮮烈なハイキックでKO勝利。まさに“モノが違う”逸材ぶりを知らしめ、はやくも格闘技界が大きな注目を集めている。

 2戦目となる今回の対戦相手は修斗バンタム級世界ランキング9位の野尻定由。“博多のド根性ファイター”の異名を持ち、強靭なフィジカルとスタミナを武器に前に出続けるファイトスタイルで、いまだ負けなしの戦績を誇っている。

 中村は戦前のインタビューで「ただ勝つだけでなく、勝ち以上のものを求められている」と逸材ならではのプレッシャーを吐露していたが、直前で宇佐美が劇的な勝利をあげているだけに、さらなる重圧がかかっていることは間違いない。

 運命のセミファイナル。試合開始のホーンが鳴ると、なんと野尻が駆け込んで飛び蹴りの奇襲! それを瞬時に察した中村は冷静に左パンチで迎撃! まるで交通事故のような衝撃で吹っ飛んだ野尻に、中村はすかさずパウンドで追撃。パンチの雨を浴びつつ、なんとか中村の右足を掴んで耐える野尻だったが、中村がさらに拳を振り上げ続けるとレフリーが割って入ってストップを要請。試合時間25秒、中村がまたも“モノが違う”ことを見せつける、インパクト絶大な勝利を飾った。

 LDH martial artsの高谷裕之、そして岡見勇信、石田光洋のコーチ陣が見守るなかマイクを取った中村は、自身が生まれる前から関わりのあるプロ修斗に感謝を捧げ、世界を目指すと改めて明言。最後に「LDH最高!」と吠えた。

 LDHは22年4月24日に両国国技館でライブ×格闘技を融合したイベント『POUND STORM』を開催することを発表した。イベントの詳細はまだベールに包まれているが、GENERATIONSやTHE RAMPAGEのライブに加え、格闘技の試合が組まれることが決まっている。今回の『修斗2022開幕戦』で大きなハードルを乗り越え、共に劇的な勝利をあげた中村倫也と宇佐美正パトリックが『POUND STORM』でも中心的な活躍をすることは間違いないだろう。

LDH主催の新しいLIVEエンタテインメント「POUND STORM」2022年4月24日両国国技館で開催決定!

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