ゲーム業界、NFT採用に賛否両論? 転売目的が主な市場は1兆ドルに成長

70%以上が投機目的?

 NFTはゲームだけではなく、アート作品、さらには野球カードのような収集品にも活用され、近年急速に注目を集めている。技術関連の投資を行う投資会社Loupは9月24日、NFT市場に関する考察記事を公開した。その記事によると、NFT市場は2020年には約1兆600億ドル(約180兆円)の規模に達した。同市場は今後、年率4~7%で成長すると予想される。

 2021年のNFT市場におけるゲームの支出額は27億ドル(約3,000億円)になり、市場全体の約13%を占める。もっともこの支出額はゲーム業界全体の1.5%に過ぎない。同市場でもっとも大きいシェアを占めるのはゲームでもアートでもなく、投機だ。同市場における投機目的の支出は、72%に達すると推計される。投機が圧倒的シェアを占めるなか、ゲーム支出のシェアは2位となっている(以下のグラフ参照)。

 NFT市場における投機とは、NFTアイテムやNFTアートを所有する目的ではなく転売目的で購入することを意味する。こうした投機は同市場を急成長させる要因になる一方で、バブルがはじけた場合には同市場が一気に冷え込むリスクをはらんでいる。

 NFTゲームは、今後メタバースと融合して新しいゲーム文化を誕生させるポテンシャルを秘めている。しかしながら、投機目的のゲームプレイが大半を占めるようになると、バブルがはじけるリスクが上がるかも知れない。それゆえ、NFTゲームがゲーム文化として定着するかどうかを判断するには、時間が必要だろう。

(トップ画像出典:「ゴーストリコン ブレイクポイント」ニュース記事「UBISOFT QUARTZ:エネルギー効率の高い、プレイに利用できる新しいNFT!」より画像を抜粋)

(Source)
https://www.ubisoft.com/ja-jp/game/ghost-recon/breakpoint/news-updates/1nGGpHbIuVQ80sskoTVIpy/ubisoft-quartznft
https://www.ign.com/articles/steam-bans-blockchain-games-nfts-cryptocurrency
https://loupfunds.com/the-1-trillion-nft-market/

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