中国国内でも冷え込む消費 新たな売上の要となる「ライブコマース」の実態とは
中国ではすでに個人や大手から中小までの企業の多くがライブコマースを積極的に活用しており、プラットフォームも拡大中だ。地方の農家や漁師が収穫した野菜、果物、鮮魚などをライブコマースで販売することも日常化している。カリスマKO(Key Opinion Leader:キー オピニオン リーダー)のような洗練された話術などはないが、素朴でシンプルに宣伝する口調などがより信頼感を増しているのか、こうした地方の産地からのライブコマースも人気が高く、収益をあげている。
最近では、現地の日系企業なども参戦し、ますます見逃せない販売方法となった。本社や事務所内にライブコマース用のスタジオをつくり、内製化し、定期的にライブ配信している企業も多く見られる。
来年以降も、販売促進に効果的なこのライブコマースが重要なポイントになることは間違いなく、大型のショッピングデーだけではなく、単発のイベントやキャンペーン時などでも販売量を左右する鍵となるだろう。
これまでのようにただただダブルイレブンに参戦し、人気商品を投入してもそれが販売量や収益の増加につながるといった単純な構造はなく、どのようなプラットフォームでどうライブコマースを実施するかが戦略として必要になってきた。そのため、いかに商品の特徴を分かりやすく説明できるか、魅力を瞬時に伝えることができるか、差別化できるか、といった動画コンテンツづくりが大切になる。
ダブルイレブンをはじめとするショッピングイベントは、収益をあげる大きな機会でもあるが、年々その販売方法や消費者市場が成熟していくため、厳しい商戦を強いられるものになっていくだろう。
(画像=Taobaoより)