相羽ういはが活動で示す、「歌って踊るバーチャルアイドル」としてのアイデンティティ

 ここで一度周囲に目を向けてみれば、相羽とともにデビューしたアルス・アルマルと黛灰もまた、彼女と同じくらいに個性派な配信者と存在感を発揮している。

 アルスはにじさんじでも指折りの深夜帯配信者であり、FPSなど様々なゲームを長時間配信するゲーム好きであり、内気な性格ながらも笑い上戸な彼女は、海外リスナーを含めて視聴者とのコミュニケーションもこなしていくストリーマーだ。

 黛はローテンション&高回転のトークスピードでグイグイとひっぱり、ナナメ上な発想で企画をも立てるストリーマーでありながら、自身の背景にオリジナルストーリーを展開してファンを飽きさせることのない、生粋のエンターテイナーなバーチャルタレントである。

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 人気とオリジナリティを持つ2人を横にし、焦りやプレッシャーを感じるなというのは難しいだろう。にじさんじ内においても「辞めるべきか否か」を思いつめていたとかつてを回想するライバーは少なくない。ゲームスキル、歌唱力、トーク、企画力など、様々な才能を持つ者たちが集まるなかで、彼女は息をひそめるように活動を続けていった。

「ういはちゃんと初めて出会ったときは怖かった、人間として完璧に出来過ぎていて。めっちゃ可愛いし、めっちゃ頭いいし、めっちゃ気遣いができる。自分が不出来な人間なんだなってすごく思った」

「努力ができる人なんだと思うし、それを努力だと思っていないし、それを当たり前だと思っているタイプなんだと思う。『いまの私に欠けているのはこういうところで、こういうことをやらないといけないと思っている』『私にはどういう方向性のスキルがあると思いますか?』なんて聞いてくる。」

「完璧超人、それだと思う。話してくる内容もすごくレベルが高い内容だった。年下にあれだけの人がいるとちょっとした絶望だと思う。」

 これは同僚の群道美玲が相羽ういはと初めて会って会話したときの印象について、雑談配信内で語った内容だ。「向上心の塊」という形容に留まらない、「成し遂げる」ことを見据えて努力を怠らない、ある種の貪欲さを感じ取れる。

 そんな彼女の転機といえば、2021年4月17日に配信した3Dお披露目配信「CAN'T WAKE UP FROM "MY" DREAM.」であろう。7曲を歌って踊るスタミナもさることながら、側転や馬飛びだけじゃなく、立っている状態から後ろにブリッジして元に戻ったり、三点倒立を完璧にこなして背面側から足を地面につけていくなど、噂になっていた運動能力を十二分に発揮し、視聴者を驚かせることになった。

 また、放送開始前から多くのライバーが「ういはのツイッターが動いていないし寝坊か??」とツイートしはじめ、本編内では19名のタレントが彼女の配信に登場し、

「寝てしまった相羽ういはがベッドから起きて、まるで夢の中にいるように歌って踊っていく」というストーリー仕立てな演出構成となった非常に大がかりな配信となった。

 ラストには命の危機に瀕した孤独な少女と人形が現れ、何かしらのアクションをする相羽ういはという映像が流れ、どこか不穏なムードで配信を終える。この配信後、その後の彼女の配信は決定的に変わっていくことになる。

【3Dお披露目】CAN'T WAKE UP FROM "MY" DREAM.【相羽ういは/にじさんじ】

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