Netflix、iOSでゲーム配信開始。次なる野望はゲームサブスク市場での躍進?
動画サブスクサービスの大手企業Netflixは、今年からゲーム事業を積極的に展開するようになった。同社はスマホゲーム配信を開始しており、配信対応端末が大幅に増える。こうした同社の動きは、ゲームサブスク市場に影響を与える可能性がある。
Netflixが優遇された可能性
テック系メディア『The Verge』は9日、NetflixがAndroid端末向けに配信していたスマホゲームをiPhoneとiPadでも配信開始したことを報じた。配信開始したゲームは、『ストレンジャー・シングス: 1984』『ストレンジャー・シングス3: ザ・ゲーム』『シューティング フープス』『ティーター』『カードブラスト』の5タイトル。『ストレンジャー・シングス: 1984』と『ストレンジャー・シングス3: ザ・ゲーム』は、同社のオリジナルドラマ『ストレンジャー・シングス 未知の世界』を題材にしている。
以上のゲームはすべて無料であり、広告表示やアプリ内購入もない。ただし、プレイするにはNetflixに加入する必要がある。また、子ども向けにフィルタリングされたキッズプロフィールからはプレイできない。
Netflixの公式Twitterアカウントのひとつである「Netflix Geeked」は10日、iPhone/iPadで同社のゲームが配信したことをツイートした(以下のツイート参照)。そのツイートには、既存のNetflixアプリのホーム画面にゲームが並んでいる画像が添付されている。この画像から同社のゲームはApp Storeから直接ダウンロードするほかに、同社アプリを経由してダウンロードあるいはプレイできると考えられる。
以上のようなアプリ内ストアのような機能に対して、Appleは非常に厳しい規制をかけている。前出のThe Vergeの記事は、AppleはNetflixを言わば大口顧客として優遇した可能性を指摘している。今年の5月に行われたAppleとEpic Gamesが争った〈フォートナイト公判〉で提出された資料のひとつから、NetflixがiTunes経由での決済を廃止することに対してAppleが思いとどまるように訴えていたことが明らかになった。Appleが懇願したものもiTunes経由の決済は廃止されたが、このやり取りはAppleがNetflixを特別視していることを示唆している。
Netflixユーザは無料で楽しめる
またThe Vergeは9日、人気ゲーム『League of Legends』(以降、LoLと略記)からの派生ゲームがNetflixと提携してリリースされることを報じた。その派生ゲームとは、LoLのキャラクターが登場するリズムゲーム『Hextech Mayhem: A League of Legends Story』だ(以下の動画を参照)。同ゲームを開発したのは、LoLを開発するRiot Gamesの子会社・Riot forgeだ。Riot Forgeは、外部スタジオと連携してLoLの世界を拡張するコンテンツを発信することを目的に設立された。
公式サイトによると、同ゲームは2021年11月16日にリリースされ、価格は10ドル。対応プラットフォームはNintendo Switch、Steam、Epic Games Store、そしてGOG.comだ。GOG.comとは『ウィッチャー』シリーズや『サイバーパンク 2077』を開発したポーランドのゲームスタジオCD Projektが運営するゲームプラットフォームである。
なお、同ゲームは後日スマホゲームとしてもリリースされ、Netflixユーザならば無料でプレイできる。