『会社は学校じゃねぇんだよ 新世代逆襲編』野村周平演じる祐介の“涙の敗北” 勝ち組人生、挫折の瞬間
今日は残された人生で一番若い日だろーー。ABEMAオリジナルドラマ『会社は学校じゃねぇんだよ 新世代逆襲編』の主題歌『Forever Young feat. UVERworld』(AK-69)の歌詞に、ハッとさせられた。私たちは年齢を重ねるたびに、夢を持たない自分への言い訳が上手くなっていく。「もう無理だ」「始めるのが遅かった」……。大きな目標を掲げる他人に、心のなかで悪態をついてみたりして。
正直、『会社は学校じゃねぇんだよ 新世代逆襲編』の主人公・祐介(野村周平)のことも、最初は一歩引いた目で見ていた。孫正義や、ビル・ゲイツを”ライバル”だと言い、自分が日本を変えると信じてやまない。そんな彼が、典型的な世間知らずの若者に見えていたのだ。
しかし物語が進むにつれて、そんな先入観がかき消されていく。祐介は、29日放送の第2話で初めて“負け”を認めることになる。すると、彼の言葉に自然と説得力が加わるように。その姿を見て、「この人が、世界を変えることができるかもしれない」と信じることができた。
父・啓介(吹越満)が社長を務める老舗鞄メーカー『鶴鞄』が、経営の危機に直面していると知った時。かつての祐介なら、病気で倒れた父に代わり、会社を立て直すことを選んでいたと思う。100年以上続く『鶴鞄』には、たくさんの職人や工場で働く人々がいて、その社員たちも祐介が会社を継ぐことを望んでいたからだ。だが、彼は鉄平(三浦翔平)が社長を務めるサイファークリエーションに、会社を売却することを決意。「僕が社長をやったところで、何も変わらない」と現実を受け止め、涙ながらに“負け”を認めた。
これまでの祐介の人生は、勝ち続きだったのかもしれない。実際、大学生のビジネスコンテストでは優勝を果たし、鉄平に投資をしてもらうという目標も叶えた。だからこそ、根拠のない自信を持てていたのだ。だが、第2話では自分が置かれている現状に向き合い、できないことを認めた。「僕が一番悔しいんです」と『鶴鞄』の社員の前で涙したシーンは、彼が初めて“負け”を認めた瞬間だったのかもしれない。だからこそ、その後の「自分の会社(Find Value)を日本一にして、日本を変えてやりますよ!」という宣言には、これまでとは違う重みがあったのだ。