芳賀敬太&深澤秀行が語り合う『月姫』リメイク版の音楽 8枚組のサウンドトラックが完成するまでの裏側を聞く
――その後も2019年の『FGOオーケストラ』や2020年『劇場版Fate/Grand Order 神聖円卓領域キャメロット』など、密にやりとりしていく瞬間がたくさんあったかと思うのですが、こういった制作を経て、以前作った楽曲とは明確に差が生まれた瞬間などはありますか。
芳賀:深澤さんもこれまで使っていなかった音を入れ始めていたり、明らかに管楽器の数が増えていますよね。オーケストラを経てからどんどんそういう音が増えて、楽器への理解も深まっている。変化はすごく感じていました。
深澤:そうですね。芳賀さんをちょっと驚かせてやろうみたいな気持ちで、楽しんで作れるようになってきました(笑)。
――芳賀さんと深澤さんの長きにわたる“戦い”は一旦終わりますが、現在進行しているプロジェクトなどはありますか?
芳賀:今ちょうどいろんなものが一気に終わったんです。『キャメロット』後編もそうだし、『月姫』もこうして発売を待つのみ(※取材は発売前)となって。2つのルートでこれだけの曲っていうのは、改めて本当に恐ろしいですよね。
深澤:一日一枚聴いていたら一週間じゃあ足りないですからね。
芳賀:また新しいゴールに向かってやれることがあるなら、すぐにでもやりたいです。特に月の裏側に向けて……そのとき深澤さんのスケジュールが空いていることを祈るのみですね。
深澤:空いていますよそりゃあ。
芳賀:水面下では、色々なものが動き出しつつあります。社会状況を考えると、自由な生活に戻るにはまだ時間がかかりそうだけれど、自分はその時がくるまでプレイヤーの皆さんを退屈させないように、ゲームを作っていければと思います。
深澤:そうだね。『月姫』を周回してもらって。
芳賀:バッドエンドに行くたびに、シエル先生を見ていただいて(笑)。
■リリース情報
『月姫 -A piece of blue glass moon- Original Soundtrack』
発売日:11月24日(水)
価格:税込7,150円
初回仕様特典:武内崇描き下ろし三方背ケース / 8枚組デジスタック / ブックレット
※商品付属ブックレット内には、本インタビューのフルサイズ版が収録!