テック系ポッドキャストのトップランナー 『Off Topic』宮武徹郎&草野美木に聞く“音声コンテンツの優位性”

iPhone1台で始められるPodcast 大事なのは“続けること”

ーーSpotifyにてオリジナル番組『bytes by Off Topic』を開始されていますね。この番組は、どういう経緯で始めることになったんですか?

宮武:『Off Topic』だけだと、最新のテック情報を届けるには不十分だったんですよね。日本のPodcastにはアメリカのテック系ニュースが少ないようにも感じていて。そんなときちょうどSpotifyさんと話す機会があり、新たに番組を立ち上げることになりました。

ーーPodcastを配信するプラットフォームはいくつかありますが、Spotifyの優位性はどんなところだと考えますか。

宮武:Spotifyさんは初期からPodcast領域に力を入れているんですよね。AnchorやGimlet(ギムレット)を買収したり、独占配信契約を取ったり。Podcasterへの投資も、他のプラットフォーム以上に積極的にやっている印象です。それを見ると我々としても安心感がありますね。もともとは音楽メインでやられていましたが、それだけだとマージンが低いので、Podcastに音声コンテンツを追加したのはすごく自然な流れだと思います。

ーーニュースレター『CEREAL TALK(シリアルトーク)』も配信されていますが、これはどのようなコンテンツなんですか?

草野:『CEREAL TALK』は、DtoC(Direct to Consumer)や小売、コマースなどをトレンドを紹介しているメディアで、ニュースレターとPodcastで発信しています。私たちと「objcts.io」というブランドを作られてる沼田雄二朗さんと一緒に運営しています。

宮武:『CEREAL TALK』は、何かに特化した“ニュースレターPodcast”って本当にできるのか、どういう反応がくるかのテストみたいなものですね。『Off Topic』や『bytes by Off Topic』で取り上げきれないものを提供する方法の1つです。

ーー個人的に、第三者を迎えるのにはびっくりしました。今後の展開として、また誰かが加わることもありそうですね。

宮武:そこはまだ考え中で、例えば我々なしで完全に別の方にお願いするパターンとか、どっちか1人と別の方のトークとかもあり得ますよね。いろんなパターンを試してみたいです。

ーーAnchorクリエイターが使える新フォーマット「Music + Talk」も早速使われていますが、使ってみていかがでしたか?

草野:音楽とテクノロジーのトピックは、ずっとやりたいと思っていたので、楽曲と一緒にお届けするということができてとても楽しかったです。インターネットやビジネスに関係するアーティストさんや楽曲はたくさんあるので、今度も試してみたいなと思っています。

宮武:音楽という新しい切り口でコンテンツを活用することが出来たので、非常に面白かったです。元々音楽とテクノロジーの関係性について話したかったので、今回の「Music + Talk」の話をいただいた時にびっくりしました。Off Topicが取り扱っている話では音楽やカルチャー系の話が多いので、今後も試していきたいと思います。

ーー今後さらにやっていきたいことはありますか?

宮武:『bytes by Off Topic』は、更新頻度も高くスピード感のある番組ということで、我々としては初めての試みとなります。端的に良い情報を届けられるように、いろいろチャレンジしていきたいです。

ーーお二人にとって、Podcastや音声メディアってどんなものですか?

宮武:すべての始まりですね。今の『Off Topic』もPodcastから始まっていますし、テキストの記事以上に愛着があります。

草野:Podcastのおかげで、会いたい方にお会いすることができたのがとても嬉しかったです。発信するきっかけになったと思います。

ーーそれでは最後に、これからPodcastを始められる方へアドバイスをお願いします。

草野:私たちも最初はiPhoneのマイクで収録していました。誰でも簡単に始められるので、ぜひ気軽に配信してみてください。

宮武:Podcastはメディアなので、やり続けることが重要だと思います。初めはリスナーも少ないですし、定期的にやるのは本当に難しいことです。でも2年半やってきたからこそ今があるので、続けることが大切ですね。

・Spotifyオリジナル『bytes by Off Topic』

・『Off Topic』Music&Talk使用回

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