「タップストレイフ」削除騒動に揺れる『Apex Legends』 「エイムアシスト」は“ひきかえ”に削除されるべきなのか?
「タップストレイフ」削除に対する反発。矛先はパッドの「エイムアシスト」に
前段で説明したとおり、「タップストレイフ」愛用者の一部は、パッドの「エイムアシスト」とひきかえに、同テクニックを使用できるものと考えてきた。
「エイムアシスト」とは、ターゲットの周辺まで照準を合わせることで、自動的にエイムを補正してくれる機能のこと。多くのシューティングアクションにおいて、コントローラーでのプレイのみに付与されており、基本的には同機能ありきで、キーボード&マウス・パッド間のバランス調整がなされている。複数のインターフェースが混在する各タイトルのPC版では、パッドのみに与えられる「エイムアシスト」の存在が不公平であると指摘される機会も多い。当たり前に用意されている機能でありながら、都度議論の対象とされる肩身の狭い要素である。
そのため、今回の件においても、「キーボード&マウス勢から『タップストレイフ』を取り上げるのであれば、同様にパッド勢から『エイムアシスト』を取り上げるべき」とする論調が盛り上がりを見せている。そもそも「タップストレイフ」は、「エイムアシスト」とひきかえの要素なのだろうか。相対的に弱体化するキーボード&マウス勢の立ち位置を守るため、「エイムアシスト」が槍玉に上がっているのだとしたら、それは論点のすり替えにほかならない。1人のプレイヤーとして客観すると、エイムまわりの要素とひきかえに、キャラクターコントロールまわりの要素が“仕様”として実装されていたと考えるのは、どうも無理があるように感じてしまう。
また、以前から界隈に存在する「(『エイムアシスト』を使える)パッド勢有利」の論調にも一石を投じたい。もしそう考えるのであれば、なぜパッドではなく、キーボード&マウスをインターフェースに選んでいるのか。その理由は、「パッドにはないメリットが、キーボード&マウスにあるから」ではないだろうか。
John Larson氏は先の説明のなかで、将来的な「エイムアシスト」の弱体化にも言及している。同要素はアクセシビリティのために用意されているもので、どこでバランスが保たれるかに関しては、議論の余地があるのだという。
あわせて同氏は、「プレイヤーは特定の入力タイプの使用を余儀なくされているわけではない」とも発言した。ここに「エイムアシスト」の是非に対する答えがあるのではないだろうか。
おそらく今後も、「タップストレイフ」削除、「エイムアシスト」弱体化、それぞれのタイミングで燃え上がりそうなこのトピック。本来必要のない火種を生じさせないためにも、運営には、早期に声明を出すといった、誰もが納得しやすい対応を求めたい。