「タップストレイフ」削除騒動に揺れる『Apex Legends』 「エイムアシスト」は“ひきかえ”に削除されるべきなのか?

「タップストレイフ」削除に揺れる『Apex Legends』

 Respawn Entertainmentは9月1日、運営するFPSバトルロイヤルタイトル『Apex Legends』において、「タップストレイフ」を削除すると発表した。この変更はパッチ10.1より適用されるという。

 愛用者からは、“キーボード&マウス勢の特権”と長く認識されてきた同テクニック。ここにきての削除に、批判の声が集まっている格好だ。

 本稿では、いちプレイヤーの立場から、「タップストレイフ」削除をめぐる議論を掘り下げていく。

「タップストレイフ」とは?

 「タップストレイフ」とは、『Apex Legends』におけるキャラクターコントロールのテクニックのひとつ。ジャンプ中に特定の入力をおこなうことで、本来の軌道とは異なる方向へと急激に進路を変えられる。相手の予測から外れた動きが可能となり、大幅に被弾リスクが低下する。単純な操作ではないが、習得・活用できれば、戦績の向上にも直接つながる、影響力の高い技術である。

 同テクニックは、入力にキーボードとマウスを必要とするため、基本的にはPC版でしか使用できない。家庭用プラットフォームでプレイするコンシューマー勢、PC版でも操作にコントローラーを用いるパッド勢には恩恵のない技術である。こうした理由から、パッド操作にのみ付与されている「エイムアシスト」とひきかえの要素と、一部のキーボード&マウス勢には認識されてきた。このことが「タップストレイフ」削除をめぐる論争を加熱させている実態がある。

「タップストレイフ」は“バグ”か、“仕様”か

 「タップストレイフ」は削除されるべきテクニックなのだろうか。その問題提起に対する答えを考えるとき、踏まえておきたいのが「『タップストレイフ』は“バグ”か、“仕様”か」という議論についてだ。同テクニックの存在が“バグ”なのであれば、修正は当然だろう。逆に“仕様”なのであれば、削除に対する反発にも納得できる。

 「タップストレイフ」が発見されたのは、およそ1年前だという。つまり同テクニックは、存在が明らかとなってからも手を加えられることなく、今日まで“放置”されてきた技術というわけだ。その間には、多くのプレイヤーが自身の戦績を向上させるべく、習得に時間を費やしてきた事実がある。こうした背景を踏まえると、“仕様”とする声が大きいことにもうなずける。

 しかしながら、『Apex Legends』全体のゲームデザインから考えると、銃撃に小さくない反動が設けられていたり、銃を装備したままでは移動が遅くなったりと、現実に即して作られている面も見えてくる。「ジャンプ中に急激に進行方向を変えられること」が物理法則にのっとらない動きであるのは明らかであるため、“バグ”に分類する声があるのもいたって自然である。あなたはどちらの言い分を権勢だと感じるだろうか。

 今回の件に関して、同タイトルのバランスデザイナーを務めるJohn Larson氏は、発見時から修正・削除が検討事項だったことを明らかにしている。同氏は「タップストレイフ」削除の理由について、「ただプレイしているだけでは習得しづらい、難しい技術であること」「動きが読みづらくカウンタープレイが困難であること」「特定のキャラクターのスキルと組み合わせることで、ゲームバランスが崩れる可能性を持つこと」の3点を挙げ、対応の正当性を説明した。

 もしこうした声明が「タップストレイフ」の発見から間もない時期に出されていたとしたら、「“バグ”か、“仕様”か」の議論は巻き起こらなかったに違いなく、運営の対応の遅さにプレイヤーが振り回されている感は否めない。



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