声とテクノロジーで変革する“メディアの未来”(第六回)

ゆとり女子2人のポッドキャストが“ユルい快進撃”を繰り広げるまで 『ゆとりっ娘たちのたわごと』かりん&ほのかに聞く

何十年か先に、朝井リョウさんやKREVAさんを呼びたい

ーー可能性がどんどん広がっている中で、逆にやらないようにしていることはありますか?

ほのか:2人でカッチリしたルールは決めてないです。

かりん:これは正しいとか間違っているとか、決めつけないようにしています。聴いてくれる方が多い分、それで傷つく方もいるので。

ほのか:前に、収録したあともなんだか引っかかるなと思う部分があって、調べてみたら笑いのネタにするような話ではなさそうと判断して、その部分は結局公開しませんでした。基本的には思うように話していますが、話しながらも違和感があればその部分はスルーしないとか、そういった感覚は大事にしているかもしれません。

かりん:逆に、賛否ありそうだけど自分たちが本当に感じていることはちゃんと配信するようにしています。そのあたりの線引きは、毎回2人で話しながら決めていますね。

ほのか:ルールが明確にあるわけじゃない中で、2人の感覚を大事にしています。あとは何より、自分たちが楽しいことが最重要です。

ーー僕が『ゆとたわ』を好きな理由がわかった気がします。聴いたあとにモヤっとするような番組もあって、それって多分その人たちとOK/NGのラインが違うからだと思っていて。きっと『ゆとたわ』とはそのラインが合ってるのかも。

かりん:それはうれしいですね。お互いに「違うな、おかしいな」と思うことは遠慮せず言いますから。失言まではいかなくても、自分の本心よりもちょっときつく言っちゃったなと感じる部分はカットしたりとか。

ほのか:あと、Podcastってすごくおもしろいからこそ、生活がPodcastに飲み込まれないように注意しています。番組で話すためにこれを経験しよう、ということがいき過ぎると、自分の感覚がわからなくなりおかしくなっちゃう。日々を生きていている中で、何げなく考えていることや感じたことを話したいんです。“Podcastのために”ではなく、おもしろいことがあったからPodcastで話すってことを意識しています。

かりん:あとは無理をしないことですね。番組ではほとんど下ネタを話さないんですが、これもルールで決めているわけではなく、それで議論がおもしろくなるなら言いますが、私たちの場合はそうじゃないから言わないだけなんです。以前そういう質問が来たので少し話してみたら、普段話さない分無理している感じになっちゃって。

ーー必要がないから話に出さないだけですよね。今後『ゆとたわ』にゲストとして呼びたい方はいますか?

ほのか:占い師のしいたけさんですね。シーズン1のまだ「自我が芽生える」前からしいたけさんに心酔しているので。

かりん:ぜひ来てほしいですね。

ほのか:しいたけさんのインスタライブとか、もう聴くセラピーですよね、声もいいですし。『ゆとたわ』のルーツでもあるんですよ、最初に何をしゃべろうかっていろいろ考えていたときに出てきたのがしいたけさんでした。

かりん:リスナーさん的にも「ついにか!」と思っていただけそうですね。

ーーかりんさんはどうですか?

かりん:誰だろう……たくさんいて迷いますね。

ほのか:かりんちゃんは朝井リョウさん、私はKREVAさんに昔から心酔しているので、いつか来てもらえたらすごくうれしいですが、そしたらもう最終回みたいになっちゃうので、まだ何十年か先がいいですかね(笑)。

かりん:ちょっといま来られても、緊張して話せない(笑)。

ほのか:最初はゲストさんの話を深堀りする姿勢がいいかなと思っていたんですが、「ゆとたわ」のおもしろい瞬間って、思わぬ方向に話が転がるときなんですよね。変にかしこまりすぎずに会話できている時が、話も展開しやすいですしすごく楽しいです。

ーー最後に、「ゆとたわ」として今後、挑戦してみたいことはありますか。

かりん:ほのちゃんはZeppだよね。

ほのか:うん(笑)。いつかZeppの会場をリスナーで満員にして、音楽とかトークとか何でもありのイベントをやりたいです。残念ながら2022年の1月でZepp Tokyoが閉館してしまうので、それには間に合わないですけど……。

かりん:私は、地上波で自分たちのラジオ番組を持つのが今の夢です。やっぱり深夜ラジオに憧れてPodcastを始めたので、生放送でハラハラしながらメールを読むとか、痺れる経験をやってみたいですね。難しいとは思うんですけど、一応願いだけは言葉にしておきます!(笑)。

ほのか:言っておくだけならタダだしね!(笑)

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