水溜りボンド カンタ、24時間マラソンにみる“泥臭さ”に溢れたリスタート 垣間みえたYouTuberの絆も
カンタを支えたYouTuberたちの絆と応援
今回コロナウイルス感染への配慮や安全から、屋外ではなく、室内でルームランナーを使用し完走したのだが、場所が移動しない利点もあり、生放送での挑戦を知ったほかのYouTuberたちが続々と応援に駆けつけたのだ。
50キロの折り返しを過ぎた地点には、尊敬する先輩YouTuberのはじめしゃちょーが登場。屋外とは違い、景色が一切変わらないという辛さのあるルームランナーで、距離を重ねる毎に表情が険しくなっていたカンタも、“ヒーロー”の登場に感動するように表情を和らげた。
今回、全員のコメントを平等に扱いたいという理由から、投げ銭機能である“スーパーチャット”もオフにしており、頑張るカンタに直接課金したいはじめしゃちょーが、自前の財布から直接1万円を渡す場面もあった。
その後も、マッサージ師の資格を持つMasuoがサプライズで休憩中に施術を施したり、かつて水溜りボンドと共に暮らし、現在は単独でYouTuberとしても活躍するPさんも駆けつけた。
ゴール間近の89km地点では、カンタを愛する“カンタ親衛隊”としておなじみの、北の打ち師達、たっくー、ゆゆうたも登場。たっくーに至っては、拠点である福岡からたまたま上京しており、スーツという一張羅を着て、バラ10本を抱え、ティファニーの箱に入った手作りリングでその場を盛り上げた。体に限界が来ており、もう走れないはずのカンタを最後に爆走させるというミラクルも起こしており、ゴール手前の辛く見えそうな場面も、仲間であるYouTuberたちがエンターテイメントに変え、サポートする。
そして最後の数キロは、24時間を共に寝ずに支えてくれた後輩たちが一人ひとり並走する形で、カンタに付き添った。1万人以上が見守る中で、無事に23時間半でゴール。
カンタの集中力や頑張りももちろんだが、昼夜問わず、それぞれの時間帯でコメントと共に見守った視聴者と、YouTubeにおいての視聴の楽しさをフォローするように駆け付けた、仲間の存在は大きい。カンタ自身も放送中に何度か涙ぐむようなシーンがあったように、この企画は単なる禊ではなく、人がもう一度立ち上がろうとする決心や、それを支える人々の優しさや応援を繋げたリレーだったように思う。
YouTubeというスポンサーがいなくても発信できるプラットフォームの便利上、謝罪後すぐに活動を再開するYouTuberは確かに多いかもしれない。
しかしこれ程までに、自分の発言した「もう一度信頼してもらえるように、これから頑張っていければと思っております」という言葉を有言実行したYouTuberはいただろうか。今回の自然発生的な他YouTuberたちの出演や声援は、大々的な告知もせずに、24時間100キロを1人で突然走り出した男へ、心が動かされた結果に思えてならない。24時間の生配信は、カンタが言うように“泥臭く”、ノー編集というYouTubeを通じた“決意”がリアルに視聴者にも響いたのではないだろうか。
そして、今回出演した方々をはじめ、実際には出演していない方々も含め、また一丸となってYouTubeを盛り上げる絆が、今回の企画で垣間見ることができたように思う。「これからも精一杯頑張るんで、よろしくお願いします!」といった力強い言葉を信じ、これからの動画と動向に期待したい。