クランク付きゲームボーイ? アナログすぎる携帯ゲーム機「Playdate」がいま注目される理由とは
こうした要素を鑑みるに、Playdateは腰を据えてじっくり遊ぶコンシューマー系の携帯ゲーム機というよりも、所有欲と攻略欲に重点を置いた古き良きゲーム機のリバイバルといった側面が強い。それゆえゲーム内容もシンプルなものが多く、リピートしても飽きない作りになっている。
筆者としては、こうしたある種特異なゲーム機の存在にはとても期待を寄せている。モノクロ液晶にABボタン、そして最新のテクノロジーと相反するかのような手回しクランク。これぞガジェットの魅力であり、触っていてシンプルに楽しい、心を豊かにするゲーム機だと思う。
それにPlaydateは、ただの懐古主義的な産物ではない。モノクロ液晶の高精細さはまるで電子ペーパーのようであり、それなのにあえてのバックライト非搭載(ゲームボーイにバックライトを搭載する改造もあるというのに!)。充電端子は最新ガジェットらしくUSB-Cだし、液晶画面の角のラウンドと本体角のラウンドを均一にするなど、Apple製品を思わせるほど丁寧なハードに仕上がっている。レトロなようで最新、おもちゃのようで工芸品。そんなアンビバレントなデザインと精神が宿っているのだ。
SNS疲れに代表されるように、近頃は毎日生活するだけでも過剰な情報が個人の元に届く時代だ。タイムラインの奔流から距離をとり、ソーシャルから切り離されたガジェットに向き合う。それは一種のデトックスでもあり、ゲームだけの世界に没頭できる尊い時間なのではないだろうか。この感覚は、アナログゲームに近いかもしれない。
Playdateの魅力はデザインやゲームだけにあらず。それ自体が癒やしであり、所有欲であり、攻略対象でもあり、なによりもおもちゃでもある。おもちゃの原体験的魅力を味わえるPlaydate、興味があるなら予約してみてはいかがだろうか。価格は179ドルだ。
また、Playdateを充電するためのBluetoothスピーカー&ペン立て搭載デッキや、専用のカバーも近日発売予定とのこと。ますますインテリアとしての佇まいに磨きがかかるだろう。
執筆、画像ソースは以下。
https://play.date/jp/
https://twitter.com/PlaydateJP/status/1418303104416587778