ライカ製スマホがSHARPに与える影響とは? 新たな課題は「デザイン」か

ライカ製スマホがSHARPに与える影響とは?

デザインという新たな課題

 「AQUOS R6」を通して、新たに生まれたのが"デザイン"という課題だ。ブランドの顔となるハイエンドモデルには、他社を出し抜く特長やスペック、そして目を惹くデザインが肝心となる。

 本作は、ライカと協業という特長に反して、デザイン面での大人しさが際立っているように感じる。特に、「Leitz Phone 1」が登場したことにより、デザイン面での差が浮き彫りになってしまった。

 ハイエンドモデルには、革新性の高いデザインが必要だ。例えば、AppleやSamsung、OPPOなど、有名ブランドのハイエンドモデルには、いずれも製品ページでデザインについての言及がある。一方、本作のスペシャルサイトやパンフレットには、デザインに関する言及がないのだ

 もちろん、SHARPがデザインに力を入れていないわけではない。例えば、2014年に発表した「AQUOS CRYSTALシリーズ」は、未来を感じさせる革新的なデザインだったといえる。世界初のフレームレス構造を採用し、当時のスマホ市場に衝撃を与えたのは記憶に新しい。

 鴻海の傘下になってからは、良くも悪くも万人に支持されるデザインが増えたように思える。そのおかげで現在のラインアップが広く受け入れられたのも事実だ。

 しかし、各社がしのぎを削るハイエンドモデルだからこそ、もう少しデザインに個性を持たせても良かったのではないだろうか。

 今後、国内だけではなく海外にターゲットを広げるなら、SHARPらしい革新性の高いデザインが必要になるだろう。

革新性はSHARPの代名詞

 今後の展開として期待したいのは、Rシリーズ以外におけるカメラ機能の強化だ。なかでも、人気の高いsenseシリーズに搭載すれば、ミッドレンジモデルの新しいスタンダードになりえるだろう。

 そして、ライカとの協業により、海外を視野に入れるかどうかは気になるところだ。すでに海外ユーザーからの支持も多いため、今後何らかの形でアクションを起こす可能性は高い。

 SHARPは、過去にも海外展開しているが、いずれも知名度には貢献しなかった。しかし現在は、ライカとの協業という大きな武器がある。

 各国に多数のファンを持つライカを入り口に、SHARPのスマホを知ってもらえれば、世界的なシェアを獲得することも夢ではないだろう。

 そんな未来の第一歩となる「AQUOS R6」は、今後SHARPのスマホ史を振り返る際のターニングポイントになるかもしれない。

 革新性はSHARPの代名詞だ。今後もライカと協業し、世界に羽ばたくスマホを生み出してほしい。

■菊池リョータ
個性派スマホを愛するライター。ガジェット系を中心に記事を執筆。デザイン性の高いスマホに目がない。

<参考サイト>
https://jp.sharp/k-tai/aquos-r6/
https://corporate.jp.sharp/news/210517-a.html
https://www.softbank.jp/corp/news/press/sbkk/2021/20210617_03/

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