“G-SHOCK”初のWear OS by Google搭載スマートウオッチは弱点なし? 運動するなら着けないともったいない
スポーツライフに大活躍の「G-SHOCK MOVE」
と、ここまでならただの「Wear OS」搭載スマートウオッチだが、G-SHOCKシリーズならではの機能として、カシオG-SHOCKシリーズ用アプリケーション「G-SHOCK MOVE」をスマートフォンにインストールすることで、さらにその魅力は倍増する。
「G-SHOCK MOVE」はカシオオリジナルのアプリで、G-SHOCKに内蔵されている「CASIO'S APPS」とリンクし、各種アクティビティの計測や管理などが行える。
GSW-H1000の素晴らしいところは、そのタフネスさのうえに、センシング機能の多彩さだと筆者は思う。
高度、気圧、ジャイロ(加速度)センサーに加え、光学式センサーによる心拍計測、そしてGPS(正確にはGNSS。「GPS」と「GLONASS」、そして「みちびき」)測定によって現在位置も正確に計測できる。
おかげで、たとえばランニング中などでは走行中のタイムやペース、心拍、ルートや距離、速度なども簡単にモニタリング、ロギングできる。これはスマートフォンのアプリ上で移動の軌跡を地図表示することも可能だし、ある程度の情報は時計上で表示させることもできる。
またたとえば、プールスイミングなどの場合は(残念ながら今回は実際に試せてはいないのだが)、予めプール長を設定しておくことで、タイム、何メートルのプールを何往復したか、泳法は何だったか、というようなことまでわかるというのだ。
また、GSW-H1000ではランナーが特に重視するVO2 Maxの計測も可能だ。これは、日本語では「最大酸素摂取量」と呼ばれる数値で、心拍数や走行速度などの計測値から、体重1kgあたり1分間に体内に取り込むことのできる酸素の最大摂取量(ml/kg/min)を算出する。つまり、これは心肺能力の基準値として、ランニングなどの持久力強化の指標となる。トレーニングで最大酸素摂取量(VO2 Max)を上げることで、ランニングが上達し、健康全般の増進に役立つのだ。
大きく分厚い・男のG-SHOCKスマートウオッチ
盤面の構造についても説明せねばなるまい。
このGSW-H1000のディスプレイは、時刻などの常時表示に適したモノクロ液晶と、地図・計測情報などを高精細に表示するカラー液晶を重ねた二層構造ディスプレイとなっている。
普段はモノクロ液晶のみオン。ウオッチフェイスを使用者が見たときだけバックライトが点灯しカラー液晶がオンになるようになっている。
なお、モノクロ液晶のときには、基本的に日付、時刻、バッテリー残量が表示されているのだが、GSW-H1000のカラー液晶オンのウオッチフェイスでは様々なものを選ぶことできる。デフォルトでは「DIGITAL」「ANALOG」「2レイヤー」から選択が可能だ。
またデフォルトウオッチフェイスも表示内容をカスタマイズでき、たとえば「DIGITAL」ウオッチフェイスでは、盤面の上・中・下段にそれぞれ、上段に「歩数」、中段に「時刻・ワールドタイム」、下段に「高度・コンパス」というように設定できる。
センシングデータがこういうところで表示できるのは、トレーニングなどをするには非常にモチベーションがあがってよいだろう。
なお、バッテリー持ちだが、GSW-H1000は1回のフル充電から約1.5日ほど使用可能だ。日中は身に着けて就寝時に充電することが基本的な使い方になるだろう。また、スマートウオッチではなく、モノクロディスプレイ部分のみで時計を動作する「タイムピース」モードでなら約1カ月の使用が可能だ(使用環境によって変動)。この状態ではGSW-H1000をわざわざ選んだ意味が薄まってしまうと思われる一方、万が一スマートウオッチ側の電池切れを起こしても取りあえず時間だけはわかるという意味では安心かもしれない。
GSW-H1000は、普段使いにもいいが、特にウォーキングやジョギングといった軽い運動からX-Sportsまで、少しでも体を動かす人にはぜひお勧めしたい一品だ。絶対的なタフネス感、Wear OSの搭載やCASIO'S APPSとの連携。そして、スマートフォンとして電池がきれても最悪時計として動くという安心感がある。
現状では「サイズ感」と「フォーマルな場所には着けて行きづらい」以外には弱点はない、非の打ち所のないスマートウオッチと感じた。ぜひ読者のみなさんにも、この感覚を味わって欲しいと思う。
■大和哲
IT&サイエンスライター。モバイルとガジェットとバーガーキングをこよなく愛しています。Web:http://ochada.net/Twitter:@deyamato