Netflix、プレイリストを含む新機能「N-Plus」を検討中? 2021Q1決算からコロナ特需終了も明らかに
動画ストリーミング市場が黄金時代を迎えたなか、Netflixはさらなる成長のために新機能を模索しているようだ。先日同社の2021年第1四半期の決算も発表され、その発表内容から「コロナ特需」が終わったことも明らかになった。
プレイリストのシェアが可能に?
テック系メディア『protocol』は6日、Netflixがアメリカの一部のユーザに対して新機能に関するアンケート調査を実施したことを報じた。実際にアンケート調査を受けた同メディアレポーターのBiz Carsonによると、多数の新機能は「N-Plus」と総称され、「N-Plusはあなたが好きなNetflixショーとそれらに関連するすべてについて知ることができる未来のオンラインスペース」と説明されていた。
N-Plusのなかで注目すべきは、カスタムプレイリストの作成とシェアである。この機能は、ユーザのお気に入りの動画をプレイリストに整理して、それを他のユーザとシェアできる、というものだ。Netflix未加入者ともシェア可能で、未加入者がシェアした場合、プレイリストを再生すると動画の予告編のみを視聴できる、とのこと。
プレイリストの作成は、音楽コンテンツにも及ぶ。具体的には、Netflix動画で使用された楽曲をN-Plusで公開して、それらからユーザが楽曲に関するプレイリストを作成できる、という機能に関してどう思うか、というアンケート項目もあった。
N-Plusをめぐるアンケートについて、protocolがNetflix広報部に問い合わせたところ、この調査は同社が調査していることについて視聴者の反応を知るための定期的な取り組みの一環である、というコメントだけが得られた。それゆえ、N-Plusが実際にサービスとして提供されるかどうかは不明である。
オーディオコンテンツ市場への参入も検討か
今回調査されたN-Plus以外にも、Netflixは水面下で新機能を模索している。Protocolが2020年10月に報じたところによれば、Android版Netflixアプリにオーディオコンテンツを利用できる機能に関するソースコードが見つかったのだ。
問題のソースコードを発見したのは開発者向けメディア『XDA Developers』の調査チームなのだが、そのソースはNetflix動画のオーディオトラックだけをストリーミングする機能に対応しており、この機能を使えば動画に関するPodcastやオーディオブックを視聴できるようになる。音声によるコンテンツ消費は、データ消費量が動画に比べて少なくて済むという利点がある。
実のところ、Netflixは昨年10月にオーディオブックに似たコンテンツをリリースしている。キッズ向けコンテンツ『Bookmarks: Celebrating Black Voices(邦題『おはなしの時間 黒人のおはなしを聞こう』)』は、黒人作家が書いた児童書を黒人有名人が朗読して読み聞かせるというものだ(下の動画参照)。このコンテンツ自体は動画なのだが、(英語がネイティブに理解できれば)音声だけ視聴しても十分に楽しめるものとなっている。
かつてNetflixの共同CEOであるReed Hastings氏は、同社の競合とは動画ストリーミング事業者だけではなく、ユーザが時間を消費するさまざまなコンテンツを提供する事業者である、と発言した。この発言は、競合他社と競うために同社が動画コンテンツだけではなく、オーディオコンテンツやゲームを制作する可能性を示唆しているのだ。