VR空間で味わう『デビルマン』の世界観 330万円のデビルマン像が限定ショップで販売

悪魔の心を覗いた後は、人間の心を見てみよう。

©永井豪/ダイナミック企画©ダイナミック企画・東映アニメ―ション©Go Nagai-Devilman Crybaby Project©VRデビルマン展実行委員会

 「人間の心 fear」は、本展の中で最も苛烈な空間だ。背景は『DEVILMAN crybaby』の9話「地獄へ墜ちろ、人間ども」のシーンを再現。恐怖に駆られた人間たちに、狂気的な行動の真っただ中に放り込まれるので、それなりの覚悟を持って臨んでほしい。

 恐怖に駆られた群衆がいかに恐ろしいものかを描いた点が『デビルマン』という作品を特別なものにした要因の一つだと思うが、このエリアはその点を余すことなく、観客に体感させる。そして、己の心の弱さと人間の心に巣食う「悪魔」の心と否が応でも向き合わざるを得なくなるだろう。

©永井豪/ダイナミック企画©ダイナミック企画・東映アニメ―ション©Go Nagai-Devilman Crybaby Project©VRデビルマン展実行委員会

 そして、「人間の心 heart」では、人間のまた別の側面にスポットを当てる。360°周囲にニコニコ動画のようなコメントと、作中のセリフが流れており、デジタルの世界に迷い込んだような感覚になる。

 有料エリアには、この4つの他にも興味深いエリアがある。「悪魔図鑑」のエリアでは、作中に登場するデーモンの一覧を見ることができる。「デビルマンワールド」では、漫画『デビルマン』の世界に飛び込んだような感覚を味わうことができ、集中線に導かれるように奥にする無と、高精細3Dスキャンで制作された巨大な永井豪氏の像を見ることができる。

 有料エリアは、どの部屋もかなり展示数が多く、1日では全て見切れないかもしれない。しかし、いずれも見ごたえあるものばかりで、VRならではの仕掛けと没入感で、作品世界に浸ることができるので、是非ともじっくり体感してほしい。

 また、本イベントは有料オプションとして、『DEVILMAN crybaby』で美樹を演じた潘めぐみと、本イベントの案内役サイコジェニーの声を務める関智一による音声ガイドもある。2人のトークを聞きながら本展をもう一度振り返ると、さらに深く味わえるだろう。

 本展は、単純に『デビルマン』の展示を見るだけにとどまらない奥行きある体験を鑑賞者にもたらしてくれる。それは、自らの心に潜む悪魔との対峙であり、人間とは何か、悪魔とは何かを問いかける心の旅路だ。VRだからこそ可能になった新たな展示イベントと言える。コロナ禍で理不尽な状況に多くの人が置かれている今だからこそ、本展は体験する価値がある。

■杉本穂高
神奈川県厚木市のミニシアター「アミューあつぎ映画.comシネマ」の元支配人。ブログ:「Film Goes With Net」書いてます。他ハフィントン・ポストなどでも映画評を執筆中。

「VRデビルマン展〜悪魔の心、人間の心〜」開催概要

©永井豪/ダイナミック企画©ダイナミック企画・東映アニメ―ション©Go Nagai-Devilman Crybaby Project©VRデビルマン展実行委員会

会期(予定):2021年4月28日(水)11:00〜2021年5月31日(月)23:59
使用プラットフォーム:仮想空間「VU(ヴュー)Virtual Utopia」アプリケーション
公式サイト:https://virtualutopia.jp/devilman/
公式Twitter:https://twitter.com/VR_devilman
公式YouTubeチャンネル:https://www.youtube.com/channel/UCKM-Fh3vmrXPBw5dixDbt7A
参加方法:動作要件を満たすPCとVR用デバイス、もしくはデスクトップから参加可能。詳しくはこちら
チケット種別:1DAY(日付指定)2200円、ALL-DAY(期間中フリーパス)5500円、ALL-DAY PREMIUMグッズ付き(限定1000セット※グッズ送料込配送は日本国内のみ)14300円
【オプション】音声ガイド<出演:潘めぐみ・関智一>※軽略称 550円
価格は全て税込
※4月28日(水)11:00から5月31日(月)17:00まで販売。詳細は公式サイトにて
主催:VRデビルマン展実行委員会(株式会社東映エージェンシー、株式会社ソニー・ミュージックソリューションズ)
協力:ダイナミック企画株式会社、東映アニメーション株式会社、株式会社アニプレックス

※有料エリアでのキャプチャ画像の転載は禁止されています。記事中の写真や画像は主催者の許可を得て撮影・取得しています。

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