VR空間で味わう『デビルマン』の世界観 330万円のデビルマン像が限定ショップで販売

「VR デビルマン展」体験レポート

 『デビルマン』の世界に飛び込めるVR展示イベント「VR デビルマン展~悪魔の心、人間の心~」が、4月28日から開催される。

 本展示イベントは、永井豪の漫画『デビルマン』、東映動画版(現・東映アニメーション)のTVアニメ『デビルマン』、そして2018年にNetflixで配信された湯浅政明監督によるアニメシリーズ『DEVILMAN crybaby』の3つの作品を軸とした展示イベントだ。

 『デビルマン』は、悪魔の体と人間の心を持つ主人公、不動明が人間たちを守るためにデーモンと戦い続ける中で、人間の愚かさに直面してゆく衝撃的な展開と、人類への警鐘とも言えるような内容で人々の度肝を抜いた。漫画の誕生から40年以上を経てもその人気は衰えず、多くのファンに愛され続けている。

 本展は、VRによって『デビルマン』の世界にダイブできる画期的なイベントだ。漫画やアニメのイラスト・原画の展示を鑑賞できるだけでなく、本作が読者や視聴者に向けた深淵な問いかけを再度思い出させ、全身で体感してもらい、それぞれの中に眠る「悪魔」と対峙させるように仕向けていくのだ。

 一足先に、本展を体験させてもらったので、レポートをお届けする。

330万円の24金デビルマン像が購入できる

 本展は、無料エリアと有料エリアに分かれており、ログインすると無料エリアのスペースが出現する。背景は非常に高品質で、非常に壮観な光景ばかりで、このエリアを歩き回るだけでも楽しく、細かい見どころも満載だ。例えば、『デビルマン』の大ファンの著名人、庵野秀明や『寄生獣』の岩明均などのコメントや有名イラストレーターなどのトリビュート作品などを鑑賞できる。

©永井豪/ダイナミック企画©ダイナミック企画・東映アニメ―ション©Go Nagai-Devilman Crybaby Project©VRデビルマン展実行委員会

 さらに、自分がどの悪魔に近いかを診断できる「悪魔診断」診断や、一定時間に火を噴くデビルマンのモニュメントを間近に見ることができる。

©永井豪/ダイナミック企画©ダイナミック企画・東映アニメ―ション©Go Nagai-Devilman Crybaby Project©VRデビルマン展実行委員会

 ショッピングコーナーもこの無料エリアに展開されており、本イベント限定のグッズも多数販売されている。目玉は、24金のデビルマン像で、完全受注生産で価格はなんと330万円(税込)だ。この他、ヨウジヤマモトのブランド「Ground Y」とのコラボレーションTシャツや、デビルマン彫刻加工を施したワインなども販売されている。

©永井豪/ダイナミック企画©ダイナミック企画・東映アニメ―ション©Go Nagai-Devilman Crybaby Project©VRデビルマン展実行委員会

 ロビーには、巨大なスクリーンが設置されており、原作者の永井豪氏や『デビルマン』に思い入れのある著名人によるトークプログラムの上映を予定している(トークプログラムはYouTube Liveでも同時配信を予定している)。

悪魔と人間の心を知るための4つの展示エリア

 本展のメインとなる有料エリアは、主に4つのエリアで構成されている。「悪魔の心 desire」「悪魔の心 emotion」「人間の心 fear」「人間の心 heart」の4つのテーマに沿って、漫画と2つのアニメの名場面を見ることができる。

 有料エリアでは、精神攻撃が得意なデーモン、サイコジェニーが案内役を務める。鑑賞者は、サイコジェニーの、人の心の闇を暴き出すような問いかけとともに、展示を見進めていくことになり、時折、精神攻撃を受けているような気分になるかもしれない。

©永井豪/ダイナミック企画©ダイナミック企画・東映アニメ―ション©Go Nagai-Devilman Crybaby Project©VRデビルマン展実行委員会

 「悪魔の心 desire」では、その名の通り、悪魔の持つ欲望をテーマにしている。壁や空間に漫画やアニメの一場面が浮遊しており、選択すると映像や原画を拡大して鑑賞できる仕組みとなっている。このエリアは、まるで悪魔の心に入り込んでしまったかのような、サイケデリックなデザインの作りになっており、VRならではの異空間性を強く感じさせる。

©永井豪/ダイナミック企画©ダイナミック企画・東映アニメ―ション©Go Nagai-Devilman Crybaby Project©VRデビルマン展実行委員会

 「悪魔の心 emotion」はうって変わって、荘厳で美しい空間が広がる。石作りの神殿のような場所に青い空が広がり、中央には巨大なシレーヌの石像が設置されている。空中に階段や道が浮かんでおり、そこを辿っていくとシレーヌの石像に上ることもできるようになっている。ここでは悪魔の穏やかな一面を集めたシーンが見られ、「desire」とは異なる一面を知ることができる。

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