キーボード付き、スケルトン、レザー……LGの“挑戦的”なスマホの歴史に想いを馳せる

 LGが2021年7月31日を持ってスマホ市場から撤退することを発表した。LGといえば、数々の”変態スマホ”を世に送り出しながらも、”Nexusシリーズ”といった定番も生み出している、どこか掴みどころのないメーカーだ。

 日本では「Optimusシリーズ」や「isaiシリーズ」などを発売していたこともあり、覚えている方も多いだろう。また「PRADA Phone」や「Disney Mobile」、「ジョジョスマホ」などブランドやキャラクターとのコラボも印象的だった。

 そこで今回は、筆者の記憶に残ったものを中心に、LGが国内で発売したデザイン性の高いスマホを振り返っていく。

今はなきスライド式キーボード「Optimus chat L-04C」


 docomoの2011年春モデルとして登場した「Optimus chat L-04C」。今では見かけなくなったスライド式キーボードを搭載したスマホだ。

 当時は、ガラケーからスマホへの移行期間でもあったため、キーボード搭載スマホには一定の需要があった。同時期にはキーボード搭載スマホの代名詞である、「BlackBerry」がラインアップされていたほどだ。

 コンパクトかつシンプルなデザイン、持ちやすいように丸みを帯びたフォルム、そしてスライド式の使いやすいキーボード。LGがガラケー時代から培ってきた技術を存分に発揮した良スマホだったように思える。

 今でこそ、キーボード搭載スマホは玄人向けというイメージだが、当時は端末価格も安く、初心者向けに売られていたというから驚きだ。

 LGが国内向けに初めて発売したスマホということもあり、利用していたユーザーも多いだろう。残念ながら国内では、LG製スライド式キーボード搭載スマホの後継機種は登場しなかった。

iF Design Award 受賞スマホ「Optimus LIFE L-02E」


 docomoの2012年冬モデルとして登場した「Optimus LIFE L-02E」。本作のデザインは、「おいしい牛乳」や「キシリトールガム」で知られる、グラフィックデザイナー・佐藤卓が担当した。同氏は、過去にdocomoのガラケー・P701iDも手がけている。

 そんな本作のテーマは「日常の断片(Slice of Life)」。素材をスライスしたような、四角いデザインが特徴的だ。前作「Optimus it L-05D」をベースにし、より角張ったデザインになっている。

 素材の名前で統一したカラーは「carrot orange」「melon blue」「mozzarella white」の3色。本体はもちろん、卓上ホルダやUIテーマなどもデザインし、細部までこだわりを感じさせる仕上がりだ。

 当時の展示ブースでは、各カラーの本作がお皿の上にのせられており、デザイナー監修スマホらしい、印象に残る広告を展開していた。

 その完成度の高さから、3大デザイン賞のひとつ「iF Design Award」を受賞している。

 LG発 奇跡のスマホ「Nexus5」


 「Nexus5」は、LGがGoogle向けに共同開発し、高い評価を得た1台だ。合計3機種を共同開発した中で、「Nexus5」は名機との呼び声が高い。これまでのLGスマホにおける「革新的なハード面に比べて、問題だらけのソフト面」というイメージを覆した。

 本作は、LGの変態性が垣間見えない、クセのないデザインが特徴的だ。良くいえばシンプル、悪くいえば地味、だからこそ長年愛されるスマホとなった。

 また当時としては、価格の割にスペックが高く、ソフト面での安定性も評価につながった要因のひとつといえる。

 しかし、一部の端末では度重なる不具合が確認されており、体験した人とそうでない人では評価が分かれそうだ。