ふぶき、はかいこうせん、ドわすれ……初代『ポケモン』の“壊れ技”といえば?

一度捕まったら逃げられない「まきつく」

 威力15、命中率85%ではあるが、ランダムで1〜4ターンの間にダメージを与え続け、相手に攻撃を出させなくする、という地味ではあるがいやらしさを持っている技「まきつく」。この「まきつく」は「どくどく」と併用することで、恐ろしい壊れっぷりを発揮した(「どくどく」といえば「やどりぎのタネ」との凶悪コンボも有名だが、「まきつく」は『金銀』で弱体化するため、初代というくくりではこちらを優先したい)。

 「どくどく」はターンが経つごとにどくのダメージが増加するため、「まきつく」で攻撃を封じている間に、時間を稼いで倒す、というテクニカルな戦術が当時は流行った。とりわけ、「ニンテンドウカップ’99」において、「ウツボット」にこれらの技を覚えさせるトレーナーが少なくなかった。

ほぼ100%急所にあたる「きりさく」

 最後に、わかりやすく壊れていた技「きりさく」「はっぱカッター」「からてチョップ」「クラブハンマー」について紹介したい。これらの技は共通して、「きゅうしょに当たりやすい」という特徴を持っているのだが、「初代ポケモン」では「当たりやすい」ではなくほぼ100%きゅうしょに当たる。

 「きりさく」はもともとの威力が70とあまり高くない。しかし、きゅうしょは技のダメージを2倍にしてくれため、ほとんど急所にあたる「きりさく」は、威力140という「はかいこうせん」に迫るほどの高火力をノーリスクで打つことができる。あまりに急所に当たることが当然になりすぎて、「はっぱカッター」が急所にあたらなかった時は「バグった?」と思うほどだった。

 今回紹介した壊れ技は初代ポケモンの次作「ポケットモンスター 金・銀」では、当然のごとく修正(劣化)させられた。技の改良を見ながら『ポケモン』シリーズの歴史を振り返るのも面白い。

■網島レイビン
ライター、動画編集者、シナリオライターのアラサー男性。スーパードンキーコング2のBGMとカスタムロボV2が好きな懐古厨。Twitter:@amishima_ravin

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